40分弱で先方に着き、さっそく台本を渡される。実はオーディションは歌ではなく、演技関連である。
「歌う」「流離う」「描く」「デザインする」「作る」「書く」「話す」「耕す」など、好奇心の趣くままに様々な活動を続けてきたが、唯一人生でやり残したことがあるとするなら、「演ずる」ことかもしれない。
「歌う」という行動には、限りなく「演ずる」が含まれている気がするが、ちょっと違う。その「ちょっと違う部分」に、最近興味が湧いてきた。
きっかけは去年、自宅ライブで2度やった「歌謡劇」と称する演目。自らシナリオを書き、セリフをいい、自作の歌を歌う、というシロモノだが、これがなかなかハマる。この世界をもっと突き詰めたくなった。
以降、子細は省く。ともかくオーディションは終わった。台本は今日見たばかりで、目を通した時間はわずか10分。直感で物事をとらえるアドリブ的力量が試されている気がした。
競争率が20倍という狭き門なので、おそらくは「参加することに意義あり」というヤツだ。しかし、オーディションなれども、「演ずる」という未知の世界を垣間みた気がする。参加してよかった。