2008年8月24日日曜日

ヤキモチ

 昨日に続き、最高気温が19度までしか上がらない。ライン業務もすべて終わったので、午後からテレビでやっていた映画、「インストール」をボ~と観る。
 最年少受賞記録を更新した芥川賞作家、綿矢りさの同名小説が原作だが、小説はまだ読んでいない。根がヒネクレ者なので、いわゆる世間が大騒ぎするベストセラー物には抵抗があり、あまり読まない。世界中で売れているらしい「ハリーポッター」とやらも、まだ一度も読んだことがない。

 売れている小説をあえて読まない心理背景には、自分もいちおう小説らしきものを書いていたことがあり、それなりの結果は出したが、ベストセラーには程遠い結果だった、という過去がある。
 分かりやすく書くと、いわゆる「ヤキモチ」のたぐいだ。ヤキモチ(嫉妬)は時に人を強くするが、それはあくまでヤキモチの対象を乗り越えようと努力し、行動したとき。ヤキモチの泥の中にまみれているだけでは、ただのみっともない中年オヤジに過ぎないのだ。

 しかし、(自分は嫉妬している)と認識するだけでも、スタートラインに立ったことにはなろう。観客席に座ったままヤキモチを妬き続けるのは、もっとミットモナイ。
 で、その映画だが、なかなか面白く観た。17歳の女子高生(おそらく作者の分身)と、10歳の小学生の男の子、という主人公二人の設定がまずいい。他の人物設定や物語の展開も無理がなく、かなり計算しつくして書かれた印象がする。「人生、生きていてナンボでしょ」というメッセージも、明快に伝わってくる。
 もしかするとこの面白さは、映画監督の力量なのかもしれない。果たしてこれが小説ではどのように書かれているのか?原作をちょっと読んでみたくなった。

 そして、(また創作小説を書いてみようか…)という気分に、ちょっとだけさせてくれた。歌と同じで、優れた小説には力がみなぎっていて、時に人を励ましてくれるものだから。