月毎の見開き式で、大きさやデザインは問題ない。妻の嗜好にもぴったりだし、居間には機能性ばかりでなく、彩りも必要である。100円ショップでかなり迷ったすえの選択に、間違いはなかったはずだ。
ところが、いざ使い始めてみると、致命的な問題を見つけた。日付の文字が細くて色が薄く、しかも小さい。近くから見る分には何ら問題ないが、壁にかけて少し離れた掘りごたつから眺めると、まるで読めない。買う際にデザインにばかり気をとられ、肝心なことを見落としていた。
夫婦二人とも、眼はかなり悪い。しかも、室内では度の弱いメガネを常用している。壁に眼をやるたび、見えないことのイラダチが日々つのっていた。
あいにく、適当な予備のカレンダーもない。いっそ買い直そうかと考えたが、年が明けてしまったいま、安くて自分たちの好みにピタリ合う品を探し出すのは、至難の技のように思われた。
考えたあげく、(絵柄はそのままに、日付だけを見やすい文字に修正すればよいのでは?)と思い当たる。試しにパソコンでデザインに合う日付けを適当に見繕って印刷し、ノリで貼ってみた。すると抜群に見やすく、しかも貼り跡も気にならない。妻の評判も上々。
そこでまずは3ケ月分の日付をまとめて修正した。写真のようにピンセットでチマチマと作業する根気のいる作業だが、すべて手作業で図面やイラストを描いていた頃をふと思い出した。たまには制作の原点に還った手仕事も、悪くはない。
買い替えてしまえば済むことだったが、それでは納得できない性分。これで1階居間カレンダーの問題は解決した。
残るは2階仕事部屋カレンダーの問題である。何とこちらも使い始めて気づいた。曜日の始まりが月曜日という、西洋方式なのだ。
これまで月曜始まりのカレンダーを使った経験がなく、まるで慣れない。電話で納期の打ち合せをしていて、かなり戸惑う。
予定表としては使っているが、トラブルを未然に防ぐため、横にもうひとつ息子が置いていったフツーの日曜始まりのカレンダーをかけ、納期の打ち合せはこちらを見ながら凌いでいる。
しかし、やっぱりカレンダーはひとつのほうが便利だ。そのうちこちらも何らかの方法で、また直してしまうかもしれない。