2020年5月12日火曜日

納骨と法事

 かねてから準備していた母の納骨と四十九日法要、そして父の十三回忌をまとめて実施した。
 北海道はいまだに新型コロナ緊急事態宣言が発令中で、特に札幌の新規患者は連日2桁を記録し、第1波をはるかに凌ぐ強烈な第2波は、一向に収まる気配がない。
 葬儀と異なって納骨や法事は不要不急なのかもしれず、繰り下げる考えもあったが、寺の娘として生まれた母の納骨は、できれば四十九日法要と同時にやりたかった。

 そこで葬儀同様に参加人数を極力絞り、私と長男と妻の3人だけでやることにした。
 場所は感染リスクの少ない屋外の墓前。天候の不安はあったが、納骨と同時にやれるのは最大のメリットだった。


 霊園側の意向で手続きはすべて郵送による事前処理。骨箱を始め法名軸や供花など、必要な品々を積み込んで9時に家を出た。
 長男を拾って環状通を時計回りに走る。途中にある実家に立ち寄り、母にとって懐かしい場所を外から見せてあげた。

 10年前に街頭で倒れて入院して以来、結局一度も家に戻ることなく母は逝ってしまった。子供としては唯一の心残りで、骨にはなっていたが、きっと母も喜んでくれたに違いない。
 昨年見つけた裏道を順調に走り、約束の10分前、10時20分に霊園に着く。係員1名が墓近くで待機していて、すぐに手続きが始まる。
 お骨を入れるサラシ袋の用意がなく、急きょ近くの霊園売店で購入。記録を調べると12年前の父の納骨の際にも買っていたが、すっかり忘れていた。

 墓の蓋を開けると父の骨は、ほとんどそのまま残っていた。カロートは床が土になっていて、経年で骨はやがて土に還る仕組みだったが、12年ではまだ早すぎるようだ。
 ICレコーダーに入れて持参したお経の音源を流しつつ、空いている場所に骨箱からサラシ袋に移した母の骨を置く。不要になった骨箱と木製位牌は霊園側でお焚き上げしてくれる。

霊園入口に立つ名物モアイ像もマスク姿

 係員が去ったあと、お経を流しながら花や菓子、果物やお茶を供え、ロウソクを立てて線香に火を点ける。持参した黒い譜面台に父と母の法名軸を掛け、順に焼香して手を合わせた。
 お経は「正信偈」「念仏和讃六首」の2つを続けて流す。計30分と長いが、墓前の法事は焼香時以外は立っていられるので、室内よりむしろ楽だった。

 2日続いた雨も上がって天候にも恵まれ、霊園周囲の山には桜が見頃。最後のイベントだった納骨と四十九日法要が無事に終わって、ようやく一段落した気持ちだった。
 残るは緊急度の低い相続手続きだけとなる。体調と相談しつつ、順に片づけたい。