2020年2月1日土曜日

痒くて眠れず

 昨夜未明、身体の違和感で目覚めた。左の耳鳴りがひどく、頭がグラグラする。以前に患った右耳の突発性難聴に似ていた。
 このところ左肩のコリがひどく、耳鳴りはそのせいかと、寝たまま右手で左肩をほぐす。繰り返すうちに少し楽になったが、今度は尻が痒くなった。さわると小さな突起が臀部両側にできている。
 なにかの吹き出物かといったん起き、1階に降りてオロナインを塗る。時計は3時半過ぎだった。

 寝なおそうと布団に入るが、なぜか落ち着かず、眠れない。吹き出物が気になってさわるうち、突起がじょじょに広がる気配を感じた。同時に激しい痒みが。これはただごとではない。
 考えをめぐらせるうち、子供の誰かが小さいころに同じ症状になったことを思い出す。そう、蕁麻疹(じんましん)である。もしそうなら、原因は何か?食べ物が関係ありそうな気がし、夕食のメニューを頭でなぞる。おひたしに切り干し大根の煮付け、そしてサバの塩焼き
 サバは蕁麻疹の原因になると聞いたことがる。たぶんサバだ。時間の経過と共に痒みは広がり、思いは確信に変わった。
 痒くて寝ていられないので、起き出してパソコンとWi-Fiルータを再起動。情報を収集する。ネットには蕁麻疹の症状や原因、患部の写真など満載で、やはり蕁麻疹に間違いなかった。
 時間の経過で青魚から発生するヒスタミンという物質が悪さをし、蕁麻疹や頭痛の原因になるらしい。いったん発生すると焼いても消えないそうで、左耳の不快な耳鳴りもヒスタミンが関わっていた可能性が高い。

 調べているうちにも臀部から始まった赤いミミズ腫れはどんどん広がり、太ももを一周して骨盤あたりにまで達した。例えるなら火傷の水ぶくれに近く、痒みは増すばかりだが、いじるとさらに広がるとの情報もあり、ひたすら耐える。
 とても寝るどころではなく、「発症後数時間で跡形もなく消える」との情報を信じ、こうなれば収まるまで起きていようと腹をくくる。
 6時ころになって、痒みが少し収まってきた。腫れは相変わらずで、上腕の一部にも発疹が出始めたが、ひとまず布団に戻って横になる。
 いつの間にか眠ったらしく、階下では妻が起きている気配。時計は8時近く、痒みは収まっていて、腫れも左臀部以外は消えていた。
 朝まで熟睡していた妻は前夜の騒動に全く気づかず、同じサバを食べた妻に蕁麻疹などの症状は一切ない。

 その後寝不足を補うべく、昼近くまで爆睡。再び目覚めると症状はすっかり解消されていた。
 妻が言うには、サバは昨年12月に安売りで買った冷凍もの。冷凍中にヒスタミンは増えないが、解凍と同時に急速に増えだすとか。解凍は常温でなく、冷蔵庫でやるのが鉄則らしい。
 おそらく人生で初めての蕁麻疹だったが、食物が原因であることがはっきりしている場合、原因となる食物を断てばよい。しばらくサバを食べるのはやめておく。