2020年2月16日日曜日

恐る恐る歌った

 新型コロナウィルスの足音が間近に迫る気配のなか、漠然とした不安感にとらわれつつ、市内遠方にあるデイサービスで恐る恐る歌ってきた。

 昨日歌ったサ高住と比べ、利用者が自宅で普通に生活しているデイサービスは、格段に感染リスクが高い場のように思われた。週半ばにスケジュール確認の電話が先方からあった折、実施の是非を確かめたが、ぜひやりたいとのこと。
 よく考えると、体調の悪い利用者はデイサービスそのものを休むはずで、過去のインフルエンザ流行時もそうだった。ドア取手類には極力ふれないなど、個人的なウイルス対策を徹底させることで臨もうと腹をくくり、約束通りに出かけることにする。
 施設とは年2〜3回ペースで依頼が続く長いおつきあいがあり、今回が通算18度目のライブ。開始は15時だが、遠方なので14時10分前に家を出る。冬だと時に1時間かかるが、このところの暖気で道はすっかり乾いている。わずか40分で着いた。
 予定よりやや早くライブ開始。アンコールやリクエストが相次いで、50分で15曲を歌った。(※はリクエスト)

「上を向いて歩こう」「二輪草」「真室川音頭」「瀬戸の花嫁」「365歩のマーチ」「蘇州夜曲」「みかんの花咲く丘」「恋の町札幌」「矢切の渡し」「星影のワルツ」「ミネソタの卵売り」「東京ラプソディ」「丘を越えて(アンコール)」「影を慕いて※」「リンゴの唄※」

開始前に控室で自撮り

 聴き手は30名強で、8割が女性。時の経過と共に顔ぶれが大きく入れ替わり、当初の顔見知りは少なくなったが、新たな出会いもそれなりにあり、手応えは悪くなかった。

 共に歌う声が耳に届いたのは、「蘇州夜曲」「瀬戸の花嫁」「みかんの花咲く丘」「影を慕いて」など。「上を向いて歩こう」「二輪草」「真室川音頭」では自然発生の手拍子も出たが、中盤の「恋の町札幌」「矢切の渡し」あたりで、会場の元気がなくなった。聴き手に疲れが出始めたのかもしれない。
 終盤の曲で盛り返し、そのままラストになだれ込んで締めくくると、期せずして担当のSさんのリードで「アンコール!」の手拍子。打合せにはなかったが、職員さん先導のアンコールだった。
 手早く応えたあとも場に少し余韻が残ったので、こちらから「なにかリクエストありますか?」問いかけた。この日はライブ直前になめたのど飴が効いたのか、喉の調子が抜群によく、一度も水を飲まずに45分を乗り切るという快挙。余力は十二分にあった。
「影を慕いて」「お祭りマンボ」の声が上がったが、最初に出た「影を慕いて」に決定。昨日もリクエストで歌ったばかりで、今日のほうが出来はよく、1番を終えた段階でさざ波のような拍手が湧いた。

 これでお開きかと思いきや、職員さんから、「どのくらいレパートリーあるんですか?」「《ふきのとう》は歌えますか?」と矢継ぎ早の質問。
《ふきのとう》の代表曲は、だいたい歌えます。「風来坊」は昨年の北海道神宮祭ステージで歌いました。ここで歌っていいなら歌いますよ、と応ずると、Sさんから「やっぱりみなさんがよく知ってる歌がいいでしょう」とダメ出し。
 いろいろあって、会場から声のあった「リンゴの唄」で締めくくることに落ち着く。

 昨日のライブでも「菊地さんの《22才の別れ》が聴きたかった」と、終了後に職員さんから言われた。職員さんは利用者よりも年代が若いので、曲の好みが分かれる。自分としてはフォーク系の曲をどんどん歌いたいが、悩ましい。