2019年10月31日木曜日

頻尿にショウガ湯

 寒くなってきたせいか、このところ夜のトイレに頻繁に起こされる。多いときは約2時間おきで、一晩に3回。完全な頻尿状態で、その分眠りが浅くなり、ダラダラと睡眠時間だけが長くなる悪循環だった。
 以前から頻尿には悩まされていて、このままだと泌尿器科に行くのも時間の問題…、と考え始めた矢先、風邪対策の一環として一昨日から寝る前にショウガ湯を飲んだ。
 いつもはライブ前の喉調整に飲むが、このところライブからは遠ざかっていて、飲むこと自体が久しぶりのこと。
 生姜のひと欠片を皮ごとすりおろし、熱湯を注いで飲むだけだが、なぜか飲んだ夜は一度もトイレに起きなかった。湯たんぽやアンカを入れたり、夜具を厚くするなど、他の特別なことは何もやっていない。
(もしかしてショウガ湯が…)と思ったが、半信半疑で翌日も同じように飲んで寝たら、やはり一度も起きなかった。


 ネットで調べてみると、直感は当たっていて、生姜に含まれる「ジンゲロール」という成分が膀胱の血流をうながし、冷えからくる過活動の症状を和らげる作用があるとか。
 トイレに行っても量はそう多くなく、膀胱過敏状態になっている自覚はあったので、ピタリ一致する。

 病院なしで頻尿を乗り切る一筋の光を見つけた気がしたが、今後どれくらいのペースで飲めばよいのか?飲む時間はいつが最適か?等々、まだまだ手探り段階だ。
 情報では、皮と実の間にジンゲロールは多く含まれるので、皮つきのまま調理するのがよいとか。生でなく熱したほうが効果的、ともある。この条件に従えば、鍋物などの薬味として投入しても同じ効果がありそうだ。

2019年10月30日水曜日

北側駐車場も整備

 ここ数日あった風邪の症状はほとんど消え、今日は屋外でエクステリア系のDIYを計4時間ほどやったが、鼻水&咳クシャミはなく、普通にやれた。
 結局病院には行かず、市販薬を3〜4回飲んだだけ。他はショウガ湯やハチミツ大根等の自然療法が中心で、昨春からやっている食事やストレッチ等の風邪予防策が効いたのかもしれない。

 10日間予報でも雪の降る気配はなく、冬タイヤへの交換はしばらく先になりそうで、熟慮のすえ、北側予備駐車場も南側同様に防草シートと化粧砂利による整備をすることにした。


 手順は南側と同様だが面積がやや狭く、要領はすでに会得しているので大きな戸惑いはない。
 違っているのは、境界部に新たに古いレンガを縁石代りに並べること。レンガ並べは昨秋に南側敷地境界でやったのと同じ手法で、防草シートの押さえもかねている。
 簡単に描いたスケッチに従って数個のレンガをまず並べ、それを目安に雑草の掘り起こしと除去、砂利の選別を同時進行でやった。

 北側の敷地レベルが南側に比べて微妙に高く、余分な土はすき取ってバケツに入れ、土の少ない西側まで運んで均すことにする。


 作業としては単純で、昼食をはさんでトントン進んだ。土のすき取りは100均で買った小型の草取り鍬と移植コテを主に使用。いったんバケツに投入してから砂利を選び出すのが効率的だった。

 珈琲タイムまでに半分以上が終了。残りを片づけたのち、境界レンガ並べ、防草シート敷設、化粧砂利敷きと進む。
 北端にある紫陽花2種はそのまま残し、周囲をL字型にレンガで囲って花壇状にする予定。

2019年10月29日火曜日

情熱の赤を唄う

 1ヶ月ほど前のこと。以前に何度か歌っている地域カフェの責任者から、12月のXmasライブの依頼があった。3ヶ月も先だが、依頼は先着順が大前提。ひとまずスケジュールだけは押さえた。
 数日前に再度の連絡がショートメールであり、今回のタイトルは「トムノ、情熱の赤を唄う」でやって欲しいとの内容。「トムノ」は私の活動時ステージ名であまり意味はなく、後半の「情熱の赤を唄う」がツボである。

 過去にもこのカフェからは、「冬を歌う」「雨を歌う」「クリスマスと愛の唄」等々、時期に応じていろいろなテーマが宿題のように事務局から提案された経緯がある。
 今回は見た瞬間、(難しい…)と感じた。ひとまず了解の返信をし、続けて「選曲はどのようにしましょうか?」と聞いた。「赤」をベースにするのか、「情熱」を中心にするのか、はたまた両方をキーにするのか判断がつかない。

 しばしして再度の連絡があり、曲のタイトルが10曲分2通に渡って列記されている。
赤いスイトピー」「真っ赤な太陽」「サルビアの花」等々、一部の例外を除いてタイトルか歌詞に「赤」が含まれ、同時に大半がラブソングの位置づけだった。つまり「情熱」=「愛」ということだ。
「他は菊地さんの選曲で」と添えてあり、多少の調整は許されるらしい。
 ライブは前後半40分で計80分。それぞれ11〜12曲をいつも歌っている。連絡分で前半分はほぼ足りているが、前回歌っている曲やテーマに沿わない曲を除外すると、残ったのは7曲。4〜5曲を新たに追加する必要があった。
 試しに電子譜面搭載の全922曲から「赤」をキーワードにして歌詞検索をかけてみると、実に78曲がヒットした。予想を超える多さに驚く。

 ここから事務局からの選曲基準に合わせて16曲を絞り込み、ジャンルや曲調のバランス、得手不得手などの要素から、最終的に「赤い花白い花」「赤ちょうちん」「さくらんぼの実る頃」等の5曲を選び、残りは予備曲とした。
 事務局提案の7曲と合わせて計12曲となり、前半分としては充分な数だった。

 風邪の症状が完全に抜けず、曲順を決めて実際に歌うのはこれから。今後歌いこむ中で、曲の差し替えは充分にあり得る。
 現段階では外れている「ブルーシャトー」や「硝子のジョニー」は、このまま眠らせるには惜しい曲だが…。

2019年10月28日月曜日

落ち葉迷惑予防

 風がほとんどなく、穏やかな秋空が広がった。山の紅葉が街まで下りてきて、我が家に2本ある庭木もようやく色づき始めた。

 敷地の北西角にはミズナラがあり、この時期には枯れた葉が風で舞い、近隣の敷地まで飛散して迷惑をかける。今年は葉が枯れ落ちる前の措置として、大きめの葉を中心に大胆な剪定を施した。
 木の下には大量の葉が積もったが、ネズミの格好のエサになりかねず、枯れた頃を見計らって木の枝ゴミとして出す予定。


 南西角に植えたカエデの色づきは7割ほど。2年前の冬に根元部をネズミにかじられ、樹皮が半分以上もなくなったが、その後の手当てが効いたのか、いまのところ枯れる様子はない。

 こちらは葉が小さく、多くは真下にハラハラと枯れ落ちる傾向にあるため、大規模な剪定はせずに様子をみる。


 剪定作業中に枯れ始めたラズベリーの木に赤い実がなっているのを発見。いわゆる「ラズベリーの二季なり」である。
 以前に他のブログに載っていて知識にはあったが、札幌北端にある我が家でそれが起きるとは夢にも思わず、正直驚いた。

 ただ、夏よりも実は小さく、数も陽当たりのいい場所を中心に10数個。食べていないので甘さは分からない。もうすぐ雪が降るし、採らずに自然のままにしておこうか。

2019年10月27日日曜日

除雪スコップの保守

 旅行後にひいた妻の風邪が長引き、ウィルスが私にも迫っている気配。昨夜は喉の右半分がひどく痛み、のど飴をなめ、ホットゆずかりんを飲んで早めに寝た。
 朝起きると喉の痛みは消えていたが、今度はクシャミと鼻水が止まらない。妻と同じ症状だ。朝食後に市販薬を飲むと、急に眠気に襲われた。まだ午前中だったが、2階予備ベットで横になったら、いつの間にか2時間近くも眠っていた。

 起きるとかなり楽になっている。一時的のような気もしたが、どうやら薬が効いたようだ。
 クシャミや鼻水も出る気配がなく、昼食後に防寒具に身を固め、ウッドデッキでスコップのメンテナンスをやることにした。


 物置を新しくして収納場所を確保した際、2丁ある除雪スコップの両方に多少の問題があることが分かっていた。

 8年前の冬に買ったアルミ製除雪スコップには微妙なガタつきがあり、昨冬買ったばかりのポリカーボネート製除雪スコップは、先端部がわずかに欠けている。ただちに壊れるレベルではないが、冬が本格化する前に手入れしておくべきだった。


 アルミ製スコップは5年前にも酷使で柄の先端部が折れ、ビスやボルトで補強した。調べると当時補強ボルトを入れた箇所に、わずかにヒビが入っている。
 そこで穴を5センチほど下にずらした位置に、同じM5×L40のボルトナットを新たに入れた。緩んでいるボルトやビスを締め直し、柄と先端部の周辺にある隙間はハンマーで叩いて締めつけた。


 ポリカ製スコップは先端部を鉄板で補強する。手持ちのトタン板を幅45×長300強で切り、中央部で折り曲げて先端部を挟みつける。4.5ミリのドリルで貫通穴を3ヶ所開け、Φ4×L8のアルミ製リベットで固定した。
 除雪時の先端部負荷は大きいので、この補強でどれくらい持つかは使ってみないと分からない。何もしないよりはマシのはずだが。

2019年10月26日土曜日

秋にもラズベリー

 車庫やエクステリア関連の整備が一段落し、ずっと切らしていたラズベリージャムを、ようやく作る気になった。
 食べきれずに冷凍保存してあるラズベリーを調べると、合計で2Kgほどもある。手頃なフリーザーバッグのひとつを量ると、ちょうど700g。前回作った分と同量なので、ボウルに入れて一晩自然解凍させた。


 一夜明けると、バッグが破れて解凍液がボウルに溜まっている。前回レシピでは水100ccを加えてミキサーにかけたが、今回は省略することに。
 鍋に入れて中火で熱し、浮いてきたアクを軽量スプーンですくう。グラニュー糖240g(ラズベリーに対して30%強)を投入し、混ぜながら中火→弱火で煮詰める。


 サッカーのルヴァンカップ決勝を横目で見ながら作業したが、途中で昼食の野菜タンメンも作ったので、けっこう追われた。

 珈琲タイムでビスケットにつけてさっそく食べたが、3度目ともなると作業にも慣れ、味は市販品なみと自負。孫娘の大好物なので、小瓶にも分けた。きっと喜んでくれる。

2019年10月24日木曜日

夜業して仕上げた

 丸1日乾燥させた車庫袖壁の材料がだいたい乾いたので、組み立てをやることにした。
 最初にコンクリート束基礎の型枠を外したが、こちらは打って3日目で、まだ完全には硬化してなく、無理をすると角が欠けそうだった。固定金物周辺だけを使える状態にし、外枠部は再び組み立て直す。

 最初に45×105の柱を立て、束基礎部の金物をビス止めする。その後、東西の位置を図面通りに慎重に決め、最上部と最下端部、そして中央部の横板をビスで止めた。
 柱が少し曲がっていて、中央部が2ミリほど膨らんでいる。仮設材で突っ張りを入れ、修正して作業した。
 その後、柱上端部を挟み梁の左右からビスで固定。ここで昼食となった。


 午後からはスーパー2店に買物に行き、その足でガソリンも入れた。家に戻って珈琲を飲むと、時計はすでに16時近く。横板はまだ15枚残っていて、気持ち的には今日のうちに終わらせたい。

 ところが妻が午前中、10本748円の洗い大根を3束も買ってきた。すぐに配達されて、計30本が玄関に転がっている。なるべく早く干したいとの要望で、ただちに21本をたくあん漬け用としてヒモでしばり、ウッドデッキに干した。
 昨年より2日早いが、確かに早いにこしたことはない。


 夕闇が迫ってきたが、やはり残りの横板を張ってしまうことにした。張る位置をまとめて墨出しし、上から順に張っていったが、半分終えたところで急に鉛筆の線が見えにくくなった。
 加齢で視力が落ちてきたことと、暗さの両方が理由。急きょ防災非常用のクリップ式LEDライトを持ち出し、脚立に挟んで照らしながら残りの下半分を張った。

 久しぶりの夜業となったが、作業そのものは単純で、18時前には完了。ブログ用の写真は部分夜景となったが、全体像はいずれ昼間に写したい。
 仕上がり自体は強度も含めて問題なく、車庫とのバランスも悪くない。

2019年10月23日水曜日

節約の極意

 引き続き晴天で、陽が当たる場所にいると暑いほど。昨日加工した車庫袖壁材料の塗装を午前中からやった。
 柱や梁に塗ったエコ塗料と色味を合わせたいので、残り少ない塗料缶の底をさらい、全てエコ塗料を使用。ぎりぎり間に合って、昼食前に全て塗り終えた。

 エコ塗料は安全だが、乾燥に時間がかかるのが難点。材料はウッドデッキに広げたままにし、今日の作業は終わりとした。


 午後からは新聞販売店〜郵便局〜母の暮らす施設と順に回って用足し。新聞販売店では自動引き落とし手段と、電話の携帯番号への変更手続きを同時に済ませる。

 当初は仕事用に使っていた銀行から、年金の振り込まれる銀行に口座変更するつもりが、書類をよく見ると、クレジットカード払いの選択も可能になっている。
 クレカ払いなら1%のポイント還元があり、月額4,037円でも1年分だと500円近く浮く。節約の極意は積み重ねなので、これは大きい。5年ごとの更新届けも必要ないとのことで、迷わずこちらを選択した。
 母の施設へは、新規に頼まれていたニベアのミルクローションと、残り少ないティッシュペーパーの補充。
 ここ数年、皮膚の潤いがなくなり、常にカサカサ肌の状態。しきりに痒がるので、スキンローションやオロナインなど試しているが、どれもいまひとつの効き目。今度こそ効くとよいが。

2019年10月22日火曜日

車庫に袖壁

 平年より気温の高い日が数日続くと予報にあり、昨日から車庫関連で唯一残っていた袖壁の工事を始めた。
 19年使った古い車庫にも玄関横に同様の袖壁があり、玄関出入りの視線を遮りつつ、雨や雪が玄関ポーチに吹き込むのを軽減してくれた。

 新車庫には状況次第で設置しないことも一時考え、付帯物置が完成して2ヶ月近く様子をみたが、やはり雨の吹き込みが気になった。結局これまでと同様に、幅600ほどの袖壁をつけることに。

2000年に設置直後の旧車庫

 位置は車庫南側の西端で、母屋側から突き出すように設置する。旧車庫はツーバイフォー材の枠に胴縁材を目透かしで縦張りしたが、今回は45×105の角材を柱に使い、ヌキ板18枚を目透かしで横張りすることにした。
 まず最初に柄基礎となるコンクリートを打つ。既存品は使えず、柱寸法と既存の柄基礎に合わせて、80×120〜高さ70の型枠をヌキ板で組んだ。
 中央には羽子板代りとなるアオリ止め金物を入れる。金物がコンクリートで隠れる部分には、抜け止めとして長いビスを仕込んだ。
 セメント入り砂に三分砕石を混ぜ、流し込んで上端を均す。これが昨日までのハナシ。


 今日は事前に買っておいた1800長のKD材ヌキ板を電動ノコで607長に切り、小口部分に防腐塗料を塗った。

 同時に柱となる再生材45×105を清掃し、一部に同寸の材料を相欠き接ぎで継ぐ。手持ちの材料の長さがわずかに足りず、物置に使った材料の余りを付け足して間に合わせる苦肉の策だった。


 珈琲タイムまでに終わって、仕上げのエコ塗装は明日まとめてやることにした。
 柄基礎の型枠はまだそのままで、プチプチ緩衝材で覆って養生中。全体の組み立ては明後日になるかもしれない。

2019年10月18日金曜日

古希家族旅行

 子供たちのご招待で、1泊2日の古希家族旅行に出かけた。行き先は札幌から300キロ離れた道南の函館。次男が在住していることもあり、8年前にも夫婦で訪れている。

 今回は地元の次男がホテルやスケジュール等をコーディネート。長男夫婦が札幌からの移動を手配するという分担になり、私たちはそれに従っていればよいという楽な立場。
 10年前の還暦では、私が中心になってモエレ沼ガラスのピラミッドでの家族ライブを企画運営したものだが、時が過ぎて年を重ねれば、家族内での役割も自然に変わる。


 8年前と同様に、移動は車に決定。5人乗れるトヨタパッソを長男がレンタカーで借りた。

 9時に自宅に迎えに来てくれるというので、以降の細かい移動スケジュールを組んだが、当日の7時半にメールがあって、孫娘の寝坊で到着が遅れるという。子連れの旅だから、大人の思惑通りには運ばない。
 トイレや戸締まりを再確認し、出発できたのは9時45分。遅れは途中で調整することになる。

道の駅あかいがわ

 子連れの長距離ドライブは、休憩やオヤツのとり方が重要と1年前の家族旅行で学んだ。1時間ごとに休憩するのが理想だが、場所の都合で多少のズレはある。
 オヤツは孫娘の喜ぶキャラクター物を中心に、魔法瓶に詰めた大人用の珈琲を含めて、いろいろ準備した。

 5号線から朝里川経由で走る。途中の山道は紅葉が見頃で、天候にも恵まれて絶好の行楽日和。最初の休憩は「道の駅あかいがわ」で、ここまで1時間30分が経過。予定通りの走りだ。

倶知安から冠雪の羊蹄山を望む
道の駅くろまつない

 15分休んで11時半に出発。途中の倶知安で再び5号線に合流し、1時間20分走って12時50分に「道の駅くろまつない」に着いた。
 ここの名物は地元食材を使ったピザで、12種類あるメニューから目移りしつつ3種をチョイス。ドリンクはガラナを頼んで、遅めの昼食とした。

 ピザが焼き上がるまでの間、孫娘用にジュースを見繕っていたら、売店に多数のアンパンマングッズあり。一番手前にあるグミの袋を孫娘が手に取り、「これ食べたい!」と主張する。
 車には他のアンパンマン菓子が2種類用意してあった。母親が近くに見えず、ちょっと迷ったが、「じいちゃん特別提供」「いつ食べるかはママに聞いてから」と条件づきで買ってあげた。


 14時に出発。最初の休憩や途中の走りで調整し、遅れを15分取り戻した。前回は230号線の中山峠経由で向かったので、黒松内から長万部へと抜ける道は初めて走る。
 噴火湾が見えてくると、孫娘は「海だ、海だ!海で遊びたいな〜」と歌うように繰り返す。晴れてはいるが気温は低く、海遊びは来年の夏ね、と言い聞かせる。

 途中から駒ヶ岳が見え始め、ゴールは間近。1時間40分走って、最後の休憩地「道の駅YOU遊もり」に寄る。
 昼食のピザをあまり食べなかった孫娘、公園での子守りにいつも買うアイス自動販売機を目ざとく見つける。そばから離れないので、1個買ってあげた。旅という非日常でもあり、祖父母の多少の甘さは許されるだろう。
 旅程は函館で待機の次男に逐次メール連絡していたが、当初の湯の川温泉ホテル合流を、急きょ函館駅に変更することになった。
 到着後の予定が函館山夜景見物で、ホテルに寄るよりも函館駅から直接向かうのが時間の無駄がないとの提案。チェックインは早めに次男にやってもらうことに。

 16時50分に函館駅到着。10分詰めたが、当初予定よりも35分遅れた。あいにくロープウェイが点検のため運転休止中で、17時15分の函館山行きのバスに乗る。


 30分で山頂に着く。秋に函館山に来るのは初めてだったが、寒さにも関わらず、大混雑。帰りの足が15分間隔のバスしかなく、数百人の行列がすでにできていた。

 夏よりも空気が澄んでいて、夜景はことさら美しかったが、気がかりなのは子連れでの帰りの足。トイレを済ませている間に、長男と次男が早めにバス待ち行列に並ぶ。時計は18時を回っていて、ホテルの夕食時間も気になった。
 到着が遅れる旨をホテルに連絡し、21時が夕食の終了時間と知る。行列人数とバス所要時間から、20時をホテル到着目標と考えたが、案外早く行列が進んで、18時40分のバスに乗れた。
 大混雑のバス中で孫娘が飽きないよう、立ったまま歌ったり頬ずりしたりして遊んでいたら、目の前に座っていた中年婦人から話しかけられた。
 しかし、これがなぜか英語。どうやら外国人観光客らしい。

「Where are you from?(どちらからお越しですか?)」と咄嗟に応ずると、「From Taiwan.(台湾です)」との応え。
「函館の印象はどうですか?」
「美しくて、食べ物もおいしいです」
「私たちは家族旅行で札幌から来ていて、息子の一人が函館に住んでいるんです」
「おや、私たちも家族で来ているんですよ。バスの奥に息子たちがいます」
「それはいいですね」
「子供さん可愛いですね。私の膝に座りませんか?」
(孫娘、はにかんで応じない)
「この子、とても恥ずかしがり屋なんです」
「そうだと思ってました」

 などと、予期せぬ国際交流が混み合うバス中で繰り広げられた。孫娘は週一回のキッズ英語に通っているが、うながしても会話に加わる気配はない。英会話は技術ではなく、積極性が勝負。まずは経験を重ねることだ。
 バスは市内に差し掛かっていて、客がじょじょに降り始めた。

「どこで降りられますか?」
「さあ…、息子が知ってます。ああ、来ました。ここですね」
「ではごきげんよう、よい旅を」
「あなたも、どうもありがとう」
 久しぶりに英語で長く話したが、まだ忘れてなかった。


 函館駅前で車に乗り換え、ホテル到着は19時半過ぎ。海岸近くに建つ湯の川温泉平成館「海羊亭」が今宵の宿だった。

 ただちに部屋に入ってコートを脱ぎ、荷物を置いて食堂へと直行。夕食はバイキング形式で、19時50分くらいから食べ始める。綱渡りだったが、どうにか間に合った。
 ビールで乾杯し、ひたすら食べる。カニや刺身が食べ放題で、天ぷらはサクサク感が絶妙。どの食材も味付けがよく、充分に満足できた。


 終了時刻の21時ぎりぎりまで食べ、部屋に移動すると、テーブルにケーキの箱と紙袋が並んでいる。古希記念の誕生ケーキとプレゼントで、紙袋の中は古希にちなんだ紫色のバンダナとニットカーディガンだった。
 ろうそくに火を点け、みんなにお誕生日の歌で祝ってもらう。バンダナとカーディガンもぴったり似合っていた。子供たちの気遣いがありがたく、うれしい。


 その後、交代で温泉に浸かったあと、夜食にケーキをいただく。とろけるような上品な味だった。

 23時半くらいまでゆっくりして、ようやく就寝。部屋は20畳ほどもある大部屋で、以前は小宴会に使っていた特別室らしい。
 まるでねらったように、部屋の名が「菊」。これも何かの巡り合わせだろうか。
 明け方4時に孫娘の夜泣きで起こされた。日中に刺激的な出来事があると決まって夜泣きすると聞いていたが、これだったか。
 夜泣きは断続的に続き、5時になってようやく静かになった。


 その後7時まで寝て起きると、妻はすでに温泉に行ったようで部屋にいない。孫娘が起きないので、交代で温泉に行く。

 大浴場は最上階の12階にあり、津軽海峡と函館の街並みが見渡せる。
「赤湯」という露天風呂があったが、寒そうなので入らなかった。あとで聞くと、土方歳三も入ったという希少な風呂らしい。惜しいことをした。


 入浴後、館内を少し探索したあと、8時から朝食。昨夜と同じバイキング形式で、和洋のメニューが自由に選べる。妻と次男が和食中心で、他は洋食を選んだ。
 野菜ジュースにヨーグルトバナナなど、普段の朝食と変わらないメニューがあってありがたい。思いがけず食がすすんで、パンを4種類もおかわりした。


 9時40分にチェックアウト。滞在中ずっと部屋のキーを握りしめて離さなかった孫娘が、ちょっと名残惜しそう。
 吹き抜けの開放的なロビーで家族記念写真を撮り、2台の車に分乗してトラピスチヌ修道院へと向かう。私たち夫婦は8年前に訪れているが、まだ観ていない長男夫婦のたっての希望だった。


 終日快晴だった前日と打って変わって、この日は予報通り朝から雨模様。全員傘の準備怠りなかった。

 10時に到着したが、雨脚は次第に強くなってくる。歴史ある荘厳な雰囲気の修道院なので、雨もそれなりに似合っていたのが救い。
 記念写真など交代で写し、30分ほどいて、昼食を食べに函館名所のハンバーガーショップ「ラッキーピエロ峠下総本店」へと向かう。


 ラッキーピエロは函館を中心に17店舗あるが、帰路の国道5号線沿いにあり、子供向きの店舗デザインが施されているというのが、次男の推薦理由。
 ほぼ予定通りの11時25分に到着。入口にある大きなピエロ人形で孫娘の表情がパッと輝く。店内にも真っ赤な巨大椅子やハート型の椅子、赤い車、回転木馬や人形などあって、まるで遊園地のような造りになっている。
 孫娘は食事そっちのけで大はしゃぎで、大人もオーダーするのを忘れ、しばしあちこちを散策して回った。11〜3月はテラスと屋外がイルミネーションで飾られるらしい。


 12時近くになって少し混んできたので、食事を注文することにする。1番人気のチキンバーガーセットを中心に、チキンカレーやハンバーグ定食など、思い思いのオーダー。
 朝食をたっぷり食べて間もなく、量が多いせいか、食べきれない人が続出。余った分は紙ナプキンやポリロール袋に詰めて持ち帰ることにした。
 12時半くらいに店を出て、函館に戻る次男とはここでお別れ。後半の天気は崩れたが、まずまずの企画だったのでは?と労って別れた。
 5号線を札幌に向けて走ったが、雨は一向に止みそうにない。大沼公園から高速に乗ることを提案したが、長男は一般道を行くというので任せた。


 1時間走って八雲PA近くにあるカフェ「エルフィン」に寄る。牧場直営で手作りアイスや牛乳が美味しいとの評判。入口に置いてある実寸大のウシが歓迎してくれた。

 ラズベリーアイスや各種ソフトクリーム、コーヒー牛乳など頼んで、互いに少しずつ味見。どれも濃厚で美味しかったが、私の頼んだ「大人のチョコソフトクリーム」の評判がよかった。
 長男のお嫁さんの実家が酪農業なので、運営手法など、興味津々の様子だった。
 14時に出発。帰路は市内までの時間が短縮できる中山峠経由を提案したが、私たちを車で家まで送り届けると長男が強く主張し、結局前日走った道をそのまま戻ることになる。
 雨は止む気配がなく、車は少ないが運転はしづらい。一気に2時間ほど走り、16時ころに「道の駅ニセコビュープラザ」で休憩し、熱い珈琲とラッキーピエロで残したハンバーガーでオヤツタイム。孫娘には地元産の飲むヨーグルトを買った。

 30分ほどいて出発。あたりはすでに暗くなり始めた。札幌駅近くにあるレンタカー会社への返却は20時で、時間的にはギリギリ。


 その後、前日にも寄った「道の駅あかいがわ」で最後のトイレ休憩をとる。
 雨と夜の闇で前日とは様子がすっかり変わり、妻は同じ道の駅とは気づかなかったという。しかし、孫娘は玄関前にある女の子の看板をしっかり覚えていた。小さいが、記憶力はすでに大人なみ。

 17時40分くらいに出発。赤井川から小樽に抜ける毛無峠の難所で深い霧に遭遇し、時には視界が10mくらいの危険な状況。助手席の私がナビで次のカーブの様子を運転する息子に伝えつつ、どうにか事故なく乗り越えた。
 5号線に戻ってからは順調で、19時5分に我が家に無事到着。急いで荷物を下ろし、長男一家とはここでお別れ。

 まる2日無暖房の家は冷え切っていて、室温が15度台。暖房ボイラを最大にセットし、車で近くのはま寿司に行って簡単な夕食をとる。
 途中、一人で車を返しに行った長男から「返却間に合いました!」とのメールが入る。いろいろあったが、つつがなく古希の家族イベントを終えた。旅程は少し厳しかったが、よい命の洗濯をさせてもらった。
 今後の目標は?と問われると、喜寿だ傘寿だ、いやいやその前に金婚式があるではないかと、騒がしい。しかしここは控えめに「日々を無事に生き抜く」と言っておきたい。楽しいイベントがあるとすれば、それは健康な日々のあとに自然についてくるはずだ。