2016年9月7日水曜日

オリジナルが通用した

 活動を再開して2度目となる赤れんがアーティスト広場に参加。前回と曜日は異なるが同じ平日で、時間帯も同じ13〜16時だ。
 予報では晴れだったが、車で向かう途中からポツポツと雨が落ちてきた。手続きを済ませて広場に着いても雨はやまない。見上げると、上空で黒い雲が動いている。小雨なので大きな木の下に移動し、じっとやむのを待つ。

 雲が去って青空が見えてきたのを機に、機材をすばやくセット。いつもの場所が明日のイベント準備のため、テント設営作業の真っ最中で使えない。正面玄関よりの位置に数メートル移動し、13時40分くらいから始めた。
 およそ1時間50分で、25曲を一気に歌う。結果として、ジャンル別の3部構成のような形になった。
《昭和歌謡系》
「カサブランカ・ダンディ」「パープルタウン」「ジョニィへの伝言」「別れの朝」「グッド・バイ・マイ・ラブ」「恋のしずく」「どうぞこのまま」「ブルーライト・ヨコハマ」「アカシアの雨がやむとき」「男と女のお話」「あなたならどうする」

《オリジナル系》
「抱きしめて」「夕凪ワルツ」「誰も知らない夜」「雨ニモマケズ」

《フォーク系》
「大空と大地の中で」「酒と泪と男と女」「風来坊」「少年時代」「傘がない」「時代」「異邦人」「夢の途中」「時をかける少女」「ビリーヴ」


 歌うペースとしては前回なみだったが、広場内で前回の「愛食フェア」のようなイベントがなく、雨模様の曇天ということもあって、人通りは少なめ。時折バスで外国人観光客がやってくる程度で、集客的には苦戦した。

 近くでやっているテント設営の作業音がかなりのもので、途中から上空でヘリコプターがしつこく旋回して騒音を重ねる。屋外ライブの宿命のようなものだったが、少し離れた場所で同時進行でやっていた他のジャグリング系パフォーマー2組の音はそれほど大きくなく、こちらは影響なく演れた。
 前半は昭和歌謡系の曲を連発したが、悪条件が重なったこともあって、ノレンに腕押しの反応。ちょっと困って水を飲んで一息入れていたら、建物の中から出てきた同世代の男性が、「どうもどうも、いつも聴いてますよ。お疲れ様です」などと、親しげに声をかけてくる。
 前回とよく似たシーンだったが、男性の顔に見覚えがない。

「どちらでお聴きに…?」と尋ねると、「そこの会議室で生涯学習をやってるんですが、いつも聴こえてますよ」とのこと。「いつも」と言っても、歌うのは今回で2度目。もしかして、オーディションの折も聴いていたとか?だとすると、3度目ということになるが…。


 少し元気が出て、路線をガラリ変えて、久しぶりにオリジナルを歌ってみる気になった。実は11年前に妻を伴って同じ広場で歌っていた際、誰も関心を示してくれない膠着状態に陥ったことがある。
「こんなとき、何を歌えばいい?」と問うたら、「好きなように歌えばいいのよ」と妻は応えた。そのシーンをちょっと思い出した。
 たいして期待はしてなかったが、周囲の反応が突然よくなってびっくりした。けっこう人が集まってきて、歌に合わせて手拍子する人までいる。まだまだオリジナルも捨てたものじゃない。
 その後のフォーク路線もまずまずの集客だったが、この日は2週間ぶりのライブということもあって、やや練習不足だった気がしないでもない。15時半で気力体力が限界に達した。休憩なしで突っ走った場合、やはり25曲前後が自分の限界らしい。

 体力的にはキツいが、他のパフォーマーや音量を気にせず、自分のペースで延々歌えるのは、やはり気分がいい。この広場の最大の利点だ。
 成り行きから、演歌系や洋楽系の曲は全く歌えなかったが、オリジナル系が通用することが分かり、他のジャグリング系パフォーマーとの同時進行が可能なことも知った。次回にむけて、大きな収穫だった。