2016年9月22日木曜日

縁に導かれたライブ

 ネット経由で依頼のあった札幌市内のお寺で歌った。お寺で歌うのは昨年1月に続いて2度目。今回は「秋季彼岸会(ひがんえ)」という、檀家を対象とした彼岸法要での余興出演である。
 打合せの過程で知ったが、宗派が母の生家と全く同じ浄土真宗。(母は寺の娘である)ルーツも同じ北陸地方で、不思議な縁を感じた。
 場所はこれまた偶然17年前まで住んでいたマンションの近く。よく買物に行った大型スーパーのそばにあった。
 先方の希望は正味1時間のライブで、介護施設と比べると長い。年齢層は70〜80歳といったところだった。初めての場でもあり、季節感にこだわらずに無難な定番曲で構成することにした。
「全員で歌える曲をぜひに」との要望があり、最近急増している歌声喫茶ふうの展開である。打合せの中で、「リンゴの唄」「星影のワルツ」「上を向いて歩こう」「青い山脈」の4曲を歌うことが決まり、歌詞は先方で準備していただけることになった。

 法要は13時開始で、私の出番は14時過ぎ。自宅からはやや遠いので、早めに出て13時40分に先方到着。鉄筋コンクリート造り3階建ての立派なお寺に驚く。


 控室でしばし待機のあと、14時10分くらいにステージとなる本堂に入る。手早く準備し、14時15分から始めた。
 アンコールを含め、休憩なしのぴったり1時間で16曲を歌う。

「北国の春」「瀬戸の花嫁」「お富さん」「二輪草」「二人は若い」「高校三年生」「荒城の月」「丘を越えて」「小樽のひとよ」「時の流れに身をまかせ」「知床旅情」
〜全員で歌声喫茶ふうに
「リンゴの唄」「星影のワルツ」「上を向いて歩こう」「青い山脈」
〜アンコール
「月がとっても青いから」
 聴き手は13名とやや少なめだったが、初めての場でも、昨春歌った市内のお寺でのコンサートと雰囲気に大きな違いはなかった。
 宗教的儀式の一環ということもあって、場は終始静ひつ。つまりは、「傾聴型」の場である。それを見越して、ニギヤカ系の曲は「お富さん」くらい。大半を叙情系の曲で貫いた。

 当初の予定では5曲目に参加型の「幸せなら手をたたこう」を準備していたが、場の雰囲気から難しいと判断し、「二人は若い」に差し替えた。かけ声での合いの手も、あえて求めずに歌う。
 前回も感じたが、お寺の本堂は天井高も含めて空間が大きく、歌っていてナチュラルリバーブが心地よい。


 静ひつではあったが、場の反応は決して悪いものではなく、純粋に歌を楽しんでいただけたと思う。後半に配置した歌声喫茶ふうの趣向も、共に歌う声がじょじょに増え、他のライブと変わりない一体感が生まれた。
 アンコールは特に打合せていなかったが、担当の副住職さんからの希望で、場の気分にも沿うものだった。

 あとで知ったが、弾き語りによる余興は、今回が初めての試みだったそう。お寺にも新しい時代の流れがきているように感じた。
 いくつかの不思議な縁に導かれたライブで、コツコツと長く活動を続けていると、道はしらずしらずどこかでつながっているのだと実感する。