2016年9月14日水曜日

盛り上がって凹んだ

 今月2度目の赤れんがアーティスト広場に参加。時間はいつものように13〜16時だが、今回は広場内で「北のめぐみ愛食フェア」が同時開催されている。たくさんの農水産物直売テントが出店し、人出も多い。
 担当部署で手続きを済ませ、いつも歌っている北側の大木の下に行ってみると、目の前に餅つきのブースが設営されていて、ラジカセから民謡のような歌がエンドレスで流れている。餅つきイベントは14時半開始だったが、このまま歌い始めると、明らかに音がケンカしそうだった。

 責任者の方を探しだし、事情を話して歌ってよいかどうか確認する。14時半まで私が歌い、その後は30分間餅つきイベントを実行。私が歌う1時間は、ラジカセをオフにしてもらう要望を出したが、イベント前もできれば民謡は流し続けたい、というのが先方の希望だった。
 両方とも北海道知事の許可を得ているイベントだが、ここは譲り合いの精神が肝心だ。設営が簡単な私が譲歩することにし、反対側の南側角に移動して歌うことにする。


 今回もまた開始時に手間取ってしまい、歌い始めたのは前回と同じ13時40分から。まず1時間歌い、10分の休憩をはさんで、さらに40分歌った。終了は15時半。あわせて27曲ほどを歌ったはず。

《前半》
「夜空ノムコウ」「ワインレッドの心」「わかっているよ」「わかって下さい」「パダン・パダン」「バラ色の人生」「恋人よ」「心もよう」「オー・シャンゼリゼ」「つぐない」「恋の町札幌」「ダニー・ボーイ」「聖母たちのララバイ」「エーデルワイス」「ドミノ」「ケ・セラ・セラ」
《後半》
「古城」「Godfather愛のテーマ」「五番街のマリーへ」「恋心」「ボラーレ」「マイ・ウェイ」「ビリーヴ」「風来坊」「大空と大地の中で」「傘がない」「抱きしめて(オリジナル)」
 11年前の初期活動時も含め、南側角で歌ったことは一度もない。道路や建物の配置が微妙に違っていて、人の流れもよく分からない。隣にある出店にまず挨拶をし、手探り状態で歌い進んだ。
 小樽運河用のメニューをベースにしたが、この日は意識して洋楽を多く歌った。赤れんが本館がそもそも洋館なので、洋楽が似合うのではないか…、という漠然とした思いからだったが、この読みはある程度当たった。


 通路が大通り公園に間接的につながっているせいか、思っていたより人通りが多い。北側のように建物をさえぎる大木がないのも、陽射しが弱まったこの時期には開放的で、逆に歩きやすいのかもしれない。

 出だし数曲はやや苦戦したが、聴いてくれる人は終始耐えることがなく、曲によっては10名を越えた。曲が終わると拍手をもらうことも多数。「ダニー・ボーイ」「エーデルワイス」「Godfather愛のテーマ」「ビリーヴ」「風来坊」「大空と大地の中で」等の反応が特によかった。
 隣の出店の方にもすっかり気に入ってもらい、「投げ銭代りに」と、売り物である生シイタケを1パックいただく。ありがとうございます。
 初期のころも含めて、過去最高の手応えで気分よく撤収にかかっていたら、目の前に道職員らしき男性が不意に立って、私の名前を確認する。何か問題でもあったのかと思い、道知事の承認を受け、事前に届けも出して歌っていますと応えたら、実は隣にある道議会から音のクレームが出ている。あとどのくらいで終わるか?との質問だった。
 どうやら議会の守衛のような立場の人らしい。隣にある白い建物が議会だったとは初めて知ったが、まさかそんな場所からクレームが出るとは、夢にも思わなかった。

 もう歌は終わりましたと告げると、それならいいんです。別に菊地さんが悪いというわけではないですから、と男性は去った。
 直後に、今度はアーティスト事業を取り仕切っている部署の係員2名が現れた。内容は同じで、どうやら担当部署にも同じクレームが入ったらしい。使っているPAや音量のことを尋ねられたが、すべてオーディション時に持参した乾電池式PAで、音量もマーキングしてあり、問題になるようなものではなかったはず。急に場所が移動になった事情も説明し、納得して貰った。
 台風被害の緊急対策で、議会がピリピリしていることも背景にあるようだった。一般市民には大受けの路上音楽でも、議事進行の面では騒音そのものだったかもしれない。
 万一、次回以降に同じトラブルが起きた場合、音量を大幅に下げるなどの対策を取ることで落着。あとで調べてみたら、この日が本会議の2日目。歌っていた場所と最短の窓とは50Mほどの距離で、クレームになってもおかしくない。

 音量の問題は出にくい場だと思っていたが、状況次第ではクレームに発展することを知る。ライブが首尾よく運んだ直後のことで、ちょっと気持ちが萎えた。
 平日にパフォーマンスする場合、入念に事前調査し、議会開会時にはライブを避けるか、演る場合は場所の設定や音量に相当の配慮が必要のようである。