現状ではまだOS10.6が普通に動いているので、来るべき日に備えてすぐに取り掛かれる準備は、Yosemiteでは動作しないアプリを、Intel対応のものに変えてゆくこと。仮想化したOS10.6を動かすのは、ひとまず具体的な方法だけを調べておけばよい。
前回ふれた4つのアプリのうち、ストップウォッチの時測計と、古いメール閲覧に使っていたNetscapeには、代替となるIntel対応アプリがすでにみつかった。
ストップウォッチで使えそうなものは、なんとブラウザ上で動くもの。グーグルクロームのアプリから無料でインストールできる。
ごく普通のストップウォッチとタイマーのシンプルな機能のみだが、他のサイト閲覧中でもタブの部分にタイマーが表示されているし、なぜか一度セットすると、ブラウザを終了してもずっとカウントを続けている、という優れ物。ひとまずこれで用は足りそう。
古いメール閲覧に使ってNetscapeの代替ソフトには、かなり悩まされた。実はこれは2008年から抱えていた難問だった。
インターネットを始めた1996年から2007年までの全メールは、当時のブラウザとして主流だったNetscapeに内蔵されていたメーラーで閲覧保存していた。現在のようにメールがネット上ではなく、PC内のフォルダに保存されていたので、PC障害などでフォルダを丸ごと失う事故も多かった。
仕事上重要なメールが数多く、事故に備えてメールフォルダのバックアップは日々欠かせなかった。
何台ものPC買い換えを重ねたいまでも、そのフォルダは大切に引き継いでいるが、たまに閲覧が必要なときは、もはや化石化したブラウザNetscapeを起動させていた。
何とかこのメールをIntel対応のメーラーで閲覧したいと常々考えていたが、うまい方法がどうにも見当たらない。紆余曲折のすえ、ふと思いついて、全く使ったことのないMacに標準付属の「Mail」というアプリでの読み込みを試してみた。
結論から書くと、以下の手順で見事Netscapeメールの読み込み&保存に成功した。
1)「Mail」(Ver4.6)を立ち上げ、アカウント等を設定。
2)「ファイル」→「メールボックスの読み込み」を選択。すると下のような画面が現れるので、「Netscape/Mozilla」を選択。
3)メールが格納されている「プロファイル」を選ぶ。通常は画面で指示された場所に入っている。(OSXの場合、「ユーザ」→「ライブラリ」→「Mozilla」→「Profiles」と進む)
別の場所に保管している場合は、そこを指定する。
読み込みと保存は、ほぼ一瞬で行われる。上記「ユーザ」→「ライブラリ」→「Mail」の中に「Mailboxes」という新しいフォルダが作られ、全メールはそこに移行されていた。
今回、20年近くも前のメールを改めて読み返してみたが、当初の10年間で4087通ものメールがあったことを知った。
ネット掲載のノンフィクション作品が企画出版の打診を受けたとき。ネット経由で初めて本格住宅設計の依頼があったとき。長年敬愛していたフォーク歌手、及川恒平さんの札幌初ソロライブを主催した際のご本人とのやりとりなど、人生のターニングポイントとも思える出来事がまざまざと蘇り、感慨深いものがあった。
こうなると、もはや単なる記録上のアーカイブを超越した人生のアーカイブそのものである。