2015年2月12日木曜日

赤外線温度計を買った

 知人の建築家が、FLIRの赤外線サーモグラフィを使って部屋の温度分布を詳細に分析していることを知り、ちょっと興味を持った。
業務として手がける予定はないが、自宅各部位の温度がどのようになっているのか、調べてみたくなった。

 とはいえ、数十万はする本格システムを導入するつもりはなく、アマゾンで手頃な非接触レーザー式赤外線放射温度計を買うことにする。
 中国製だが、送料込みで2,299円と安い。(2021.8現在、899円に下がっている)ほとんどオモチャ感覚だが、それなりに使えることが分かった。


「非接触式赤外線放射温度計(-50~380℃)GM320」

 電池は汎用性が高くて安価な単4×2本(別売)。持ち手部分を開けて装着する。ピストルの要領で、トリガーを握るとスイッチが入り、赤いレーザーポインタが現れて、当たった箇所の表面温度がただちに(0.5秒後)液晶に表示される仕組み。

 まずは2階室温を測ってみたが、精密なデジタル温湿度計と比較してみても、わずか0.2度の誤差しかなかった。精度はかなり高いように思える。


 次に自宅内あちこちの温度を計測して回る。時刻は午後2時あたり。陽射しが強いので暖房は午前9時に消してあったが、床や壁、そして天井の温度は1階2階ともおおむねプラスマイナス1度くらいの範囲内にあり、むらなく安定していた。

 ただ、1〜2階とも北東部の床だけが18度前後で温度が低い。下の写真は2階押入れの奥だが、この真下には玄関ホールがある。温度が下がる理由はそのあたりか。


 家中で最も温度の低い場所を手当たり次第に測ってみたら、北東にある玄関土間の角だった。午後2時の時点で10度しかなかったが、外気温が−6度まで下がった深夜に再度測ってみても、同じ10度。低いなりに安定している。
 基礎の外側にはスチレン系断熱材を回しているが、土間下に断熱材は敷いていない。ドア下端の隙間も影響していると思う。

 床下暖房をやっている床下も暖房を入れてからざっと測ってみたが、当然ながら放熱器本体が最も高く、50度ほど。周辺の床は25度前後だが、2〜3メートル離れると20度以下まで下がる。


 興に乗って住宅部位とは無関係な物まで測ってみたが、体温もほぼ正確に測れる。入れたての珈琲は54度、熱燗は60度ほどだった。
 容量と沸かす時間を決めているペットボトル湯たんぽの温度は54度あたり。全くふれずに瞬時に測れるので、応用範囲は広そう。
 トリガーを引きながらポインタをゆっくり移動させてやると、無断階で温度が変化するので分かりやすい。見通しさえきけば、はるか遠くの場所でも温度が測れる。外で試してみたら、20メートルくらいまでは普通に測れた。

 レーザーポインタは液晶下にある左ボタンでオンオフの切替えが可能。右ボタンは液晶のバックライト用。暗い場所での計測に便利だ。
 中央の赤いボタンは摂氏華氏の切替えで、パワーオフボタンはなく、トリガーを離すと7秒後に自動シャットダウンする仕組み。電池残量が少なくなると、液晶に警告が出るようだ。
 測定範囲は−50~330℃とあるが、いまのところ−5〜60℃でしか試していない。