カーナビといっても車に装着する豪華なタイプではなく、手帳ほどの大きさの簡易なポータブル式のもの。電源はシガーソケットからとっていて、取り外しもごく簡単。どの車にも搭載可能という。(ユピテル製)
パソコンのUSB端子から充電も可能で、手持ちでも2時間は動く。GPS機能で歩きながらでも自分のいる位置が分かるという仕組みだ。
これだけ機能がそろっていて、価格が1万5千円ほど。実際に使っているのをつぶさに観察したが、現在地、目的地、経由地をタッチパネルですいすい入力できる。曲がり角での音声指示も親切で適切。急なルート変更への対応も素早い。想像を越える能力だった。
最近になって車でのミニ旅行やら遠方の介護施設からのライブ依頼などが急増しつつあるので、見ているとつい欲しくなった。しかし、今年は過去に例がないほど仕事が薄く、「ちょっと便利」「あればいいかも」という単純な理由ですぐ買うわけにはいかない事情がある。
事前にグーグルマップで道順のポイントを入念に調べてゆくので、自分で運転した夏の函館旅行でも、迷ったのは一回だけ。それもすぐに正解ルートに戻った。初めての介護施設でも、ほとんど迷うことはない。つまり、工夫すれば何とかカーナビなしでもやれるということだ。
だが、機能のみならず、メカニックな操作そのものにも惹かれる。根が理系の虫が騒ぐ。
「世の中の70%くらいの物は、あってもなくてもいい物」と以前誰かが言っていて、確かにそうだなと私も思う。その論理からすると、たとえばいま大ブームのスマートフォンなどなくても、現状の携帯とPCだけで充分やっていけそうだが、このポータブル式カーナビの誘惑は何とも悩ましい。