札幌駅前通地下歩行空間で2度目のチカチカパフォーマンスを実施。前日まで不順な天気が続いていたが、時折陽もさすまずまずの日和となった。「ライブ晴れ男」のジンクスはまだ続いている模様。
駐車場からの移動や写真撮影が面倒なこともあり、今回も妻には休暇をとってもらい、引率をお願いした。
13時に家を出、まず車を会場真上の交差点近くに停車。機材と妻をそこで降ろし、私だけが離れた駐車場に車を置きにゆく。事前に調べた1時間100円の駐車場がうまく空いていて、そこから歩いて妻と合流。
機材を運ぶ距離を極力少なくし、最近膝の痛みに悩まされている妻の負担を軽くする策だったが、思惑通りに運んだ。
前回より少し早く、14時10分からライブ開始。同じ時間帯で同じ場所だが、曜日が違うせいか通行人はやや少なめ。しかし、歌い始めると徐々に人が集まってきた。第1ステージでは世界の叙情歌を中心に、45分で以下の16曲を歌った。
「サントワマミー」「詩人の魂」「わかっているよ」「恋心」「愛の讃歌」「ドミノ」「さくらんぼの実る頃」「鱒」「シューベルトの子守唄」「ゆりかごの歌」「モーツァルトの子守唄」「竹田の子守唄」「てぃんさぐぬ花」「庭の千草」「サンタルチア」「ケ・セラ・セラ」
前回よりも5曲増やしたが、重複は5曲のみ。初披露が「恋心」「愛の讃歌」「シューベルトの子守唄」「モーツァルトの子守唄」「てぃんさぐぬ花」「庭の千草」「ケ・セラ・セラ」の7曲もあったが、聴き手が特定されない場だからこそできる冒険である。
最初の2~3曲でまず聴き手を集め、4~5曲目あたりからつかむ(引きつける)という路線をとったが、だいたいうまくいった。この場では好きな曲を歌ってはいるが、結局は聴いてもらってこその世界である。聴き手を無視した構成など考えられない。
中間部に配置した「鱒」がちょっとしたポイントで、ここから同じシューベルトの子守唄に転じ、以降子守唄を4曲続けてラストへと持ち込んだ。場にはうまくなじんだと思う。
14時50分に第1ステージを終えたが、3曲目あたりからずっと熱心に聴いてくださった2人組の中年女性が、去り際に「よい歌をありがとうございます」と声をかけてくれた。
離れた場所で聴いていた妻が、「今日は余分な力が抜けていて、前回よりも出来がいい」と言ってくれた。最初からPAが使えたことと、顔見知りの人が皆無だったせいだろうか。力むとだいたいは失敗に終わるとよく言われるが、なるほど確かに。
15分休み、15時5分から第2ステージ開始。日本の叙情歌を中心に、45分で以下の15曲を歌った。
「女ひとり」「いい日旅立ち」「さくら貝の歌」「北の旅人」「この道」「月の砂漠」「宗谷岬」「浜辺の歌」「埴生の宿」「荒城の月」「赤い花白い花」「宵待草」「時計台の鐘」「バラが咲いた」「旅愁」
第2ステージも前回より1曲増やしたが初披露はなく、実績ある曲を並べた。ここでも前回と構成をかなり変えたが、最も強い反応があったのは新しく入れた「月の砂漠」である。この曲で聴き手がどんどん膨れた感じだ。
暗い曲調なので普段はほとんど歌わないが、なぜこの曲がこうも受けるのか?しばしの分析が必要だ。
途中で会場の通路側で大きなスピーカー音が流れ、歌っている真っ最中だったので、何ごとかと困惑した。あとで妻に確かめたら、通路の途中で立ち止まる人が続出し、通行の邪魔なので立ち止まらないように、との注意だったそう。
歌いながら目をやると、確かに通路の真ん中で立ち尽くし、ずっと聴いている人がかなりいる。聴きたいが、近寄るほどでもない…、ということか。歌の力で何とかしたいが、難しい問題だ。
後半残り5曲くらいになって、左手の指がつり始めた。MCなしで合計31曲も短時間で歌い続けたので、無理もない。幸い喉のダメージは少ない。過去の経験から関節マッサージを繰り返しつつ、何とか予定曲を歌い切る。
15時50分に終了し、機材を片づけて帰ろうとしたら、最初からずっと椅子に座って聴いていた中年女性4人が近寄ってきて、「とても素晴らしい歌でした。心に響く曲ばかりです。次回はいつどこで歌われますか?」と尋ねてきた。
見るとその眼が潤んでいる。推測だが、ラスト前に歌った「バラが咲いた」で非常に気持ちが入ったので、そのせいかもしれない。今後のおよその予定を伝え、念のため名刺を渡した。
一期一会が基本の場だが、新しい出会いはちゃんとある。