2011年7月14日木曜日

美しいゲーム

 菅首相が「脱原発社会をめざす」と発言した。「現実的ではない」とか、「党のコンセンサスを得ていない」とか、「政府の見解とは異なる」だとか、あちこちで利害関係に基づく醜い「もみ消し騒動」が予想通り起こっているが、仮にもサミット主要国首相の公式声明である。そう軽いものではない。
 少なくとも多くの国民の側に立ったものであることは確かで、その一点だけでも党利党略政略でしか物事を考えられない無頼の輩とは一線を画す、マトモな政治家の発言である。
 なにがダメなのか私にはさっぱり理由が分からないが、世間は菅首相を辞めさせる方向で一致しているらしい。しかし、現時点で菅首相を凌ぐ政策を進められるトップが、果たしてこの日本国にいるのだろうか?
 首をすげかえてはみたが、高支持率は最初の数ヶ月どまり。政策は現状維持か、おそらくそれ以下。以降の支持率は下降の一途を辿り、はては「やっぱり辞めてもらいましょう」を懲りずに繰り返すのは目に見えている。

 以前に「道民の側に立った原発政策をとり続ける限り、私は高橋知事を支持する」とブログに書いたが、同じ理由から、こうした国民側に立った政治姿勢を貫く菅首相を私は支持したい。
 そんなおぞましい政争劇をあざ笑うかのように、全日本女子サッカーチームが予想通りに会心の勝利。今回も眠い目をこすって朝まで観たが、見届けたかいがあった。
 一言で言えば、「美しいゲーム」である。流れるようなパスワークと、前線から中盤にかけての徹底したプレスディフェンス、そして自由で大胆な監督采配で、これらが選手の勝利にかける執念とうまく融合し、勝利につながった。
「決勝まで進む可能性70%」と4日前のブログに書いたが、ミスパスから先制点を許してしまった分がマイナス30%といったところ。調子に乗って決勝は、「優勝確率60%」と予想しておく。

 アメリカには男子なみの身体能力を持つFWがおり、失点をゼロにするのは難しいかもしれない。ディフェンスにはスピードがあり、ドリブルによる局面打開は簡単ではない。しかし、流れるような早いパスは通用するだろう。これにロングパスとドリブルを時に応じてうまく混ぜ、攻撃の単調さを消すことだ。
 何より、日本には勢いがある。直前の練習試合でアメリカに2敗しているのも、心理的には逆に有利とみる。歴史が変わる予感がする。