2011年4月13日水曜日

ジンギスカン騒動

 九州で暮らす息子から昨夜メールがあり、週末に会社の同僚とジンギスカンをやりたいので、ラム肉を10人前宅配便で送って欲しい、とある。
「ジンギスカン」とは、ラム肉を使った焼き肉のことで、北海道では季節を問わず食べる定番料理。専用のラム肉はスーパーでいくらでも手に入るが、依頼があまりに急で、すぐに手配してもギリギリではないか。
 電話で確認すると、タレは持っている人がいて不要。専用の鍋は、なくても網か鉄板で代用する。費用はすべて負担するので、ラム肉だけ何とか頼む、とのことだった。

 夫の依頼は時に冷たく断られるが、子供からの頼み事には、基本的に妻はデレデレである。メールは私と妻へ同時送信だったが、妻は今日の帰宅時にすでに肉の塊を小脇に抱えてきた。
 聞くと、出社するとただちに、顔見知りの肉担当職員にラム肉の確保を頼んだらしい。(妻はスーパーのデリカ部勤務である)途中でクロネコヤマトにも寄り、夕方6時半までに持ち込めば、週末にはクール便で九州に届く事を確認したとか。さすがに力の入り方が違う。
 問題は肉を入れる箱だった。勤務先には手頃な発泡スチロール箱がなく、クロネコでも売っていない。そこでジンギスカン鍋を見繕いがてら、近隣のホームセンターまで車を出すことにした。

 大きなホームセンターなので、発泡スチロール箱はもちろん、薄い鉄板でできたUFO型の簡易ジンギスカン鍋もちゃんと置いてあった。合計で500円ほど。
 すぐに家に戻り、冷凍庫から肉を出してパッキング。全部で7キロ近くもあって、大きめを選んだはずの箱がギリギリ。梱包に苦心したが、パックを合体させるなどし、どうにか詰め込んだ。
 ジンギスカン鍋は同時梱包できなかったが、箱の外側に抱かせ、さらに外側をプチプチ緩衝材でくるんでからガムテープでしばる、という案を妻が出し、やってみるとピタリ収まった。クロネコに持ち込んで梱包の確認をとると、そのままですんなりOKがでた。まずは一件落着である。

 北海道人は狂ったように、このジンギスカン鍋を食べるが、私はそれほど好きではなく、食べても年に1-2度くらい。
 ただ、サッポロビール園のジンギスカン鍋はさすがに美味しい。以前にアメリカ人のホームスティを受け入れた際、「どこか行きたい場所は?」と尋ねると、迷わず「サッポロビール園のジンギスカン」。連れて行ったら、非常に喜ばれた。国際的にも知られているらしく、一度は食べてみる価値はある。
 震災による横並び自粛で、観光や飲食店業界を中心に北海道でもあちこちから悲鳴が上がっていて、すでに観光バス会社の自粛型倒産も出てしまった。
 業界もようやく事の重大さに気づき、昨日からススキノのネオンと札幌テレビ塔にも照明が復活し、活性化にむけての大々的なキャンペーンも始まった。実施が危ぶまれていた夏の風物詩、「YOSAKOIソーラン祭り」も、やることが決まったらしい。

 笛を吹いても果たして人々が踊るかどうかは分からない。しかし、普段通りに吹くべきでしょう。美味しいジンギスカン鍋を食べに、ぜひ北海道にお越しください。