2011年4月10日日曜日

情緒に訴える音楽

 午後から近隣の百合が原地区センターで「スプリング・リリーコンサート」なるものがあり、音楽仲間のレッド&ブラックさんが出演するので、一人で見に行った。(妻は仕事で不参加)
 出演は3組で、いずれもグループでの楽器演奏。レッド&ブラックさんはトップバッターだったが、実はレッド&ブラックさんを地域センターに紹介したのは私。昨年、別のカフェライブで初めてお会いし、その世界が地区センターに向いていると直感し、登録書類を持参して手渡した。

 この地区センターでは、昨年3回歌わせていただいた。新規登録には経歴書の提出を始め、簡単な審査がある。歌いたければ誰でも歌える、というシステムにはなっていない。


 会場は開始時点で200席がほぼ満席で、開演後にも客足が絶えず、さらに40席前後を追加したほど。このような世相なので、みな情緒的な音楽を求めている印象がした。
 レッド&ブラックのお二人には長い演奏キャリアがあり、叙情系を中心とした全9曲を無難にこなした。構成にもメリハリがあって、飽きさせない工夫をこらしていた。
 2番手は6名のメンバーで構成されたギターアンサンブル。エレクトーンやアコーディオンが時折加わったり、聴き手が振付けで参加する曲を入れたり、あるいは演奏しながら一部メンバーが会場席を歩いたりと、やはり飽きさせない工夫をこらしていた。
 全員が音楽学校の講師で構成されていて、演奏技術には確かなものがあった。メンバーが特注の赤いブルガリア民族風衣装で統一されていたのも好印象。衣装もライブの大事な構成要素のひとつということだ。
 唯一の瑕は、「誰にだってお誕生日」という、聴き手参加型の歌。内容がどうみても子供むきで、会場の大半を占める中高年には戸惑いが見られた。

 3番手は総勢12名の会社系ブラスバンド。こちらも実績のあるグループで安定した音を創っていたが、全8曲中にアニメソングが3曲もあり、場にやや馴染まなかったきらいがある。休憩なしで45分という演奏時間も、客層とラストという演奏順からして、少し長過ぎた印象。
 ライブは単に技術、力量だけではなく、選曲や曲順も含めた全体構成が大事であることを再認識した。
 帰路、ようやく投票を済ませる。名簿をみたら、あれこれ言っていた妻もすでに投票済みとなっていた。
 これを書いている深夜には大勢が決したが、「原発」はあまり票に影響しなかったようで、不安な世情のなか、大半が消極的な現状維持を選択したらしい。この調子だと来年あたりに実施される衆議院選挙も、代り映えしない保守的な結果になる可能性が高い。
 以前にも何度か書いたが、「結局日本人は変わらない、変わり得ない」ということか。多くの戦争をやすやすと許した背景も、責任はオカミだけでは決してなく、結局はその国民性にあると思うのだが。