2008年11月17日月曜日

赤き枯野に

 ぬくぬくとした春のような陽気が続く。準備万端の年に限って、冬の訪れは不思議に遅い。今朝は布団の中で暑くて目がさめたほどだ。
 暖房も不要なので、どんどん価格が下がっている灯油も、ほとんど減る様子がない。来年は仕事が減りそうな気配が濃厚なので、助かるといえば助かるのだが。

 最近、夕方の月の出と日没とがほぼ同時刻になっている。
「菜の花や 月は東に 日は西に」という与謝蕪村の有名な俳句があるが、この句の背景は明らかに春。しかし、現実には秋から冬へと季節が移り行くいまも、全く同じ現象が起きているのだ。


 写真はほぼ真東から出た直後の月で、自宅前の道路から撮ったもの。同じ時刻に階段を駆け上がり、2階の仕事場から真西の方角を眺めると、手稲連峰にまさに沈まんとする太陽が同時に見られる。
 つまりは、天空をはさんで月と陽とが対峙しているというわけで、なかなか風情がある。

 久しぶりに一句詠んでみる。
風深く 赤き枯野に 月浮かぶ

 チラホラと喪中はがきが舞い込み始めた。もうそんな時期で、父を亡くした今年は、すぐにでもその手配をする必要がある。
 午後から私の分と母の分とをまとめて原稿を作る。妻の意見も聞いて修正を重ね、何度か試し刷りをした。費用を安く上げる手段をいろいろ調べてみたが、季節を問わず発売されている郵政の慶弔はがきを使い、自分で刷ってしまうのが結局は安上がりであることが分かった。

 残念ながらこのはがきには年賀のようなインクジェットタイプがない。原稿にはネットで探し当てた透かしのイラストを入れたが、すべてモノクロなので、買ったばかりのレーザープリンタが使える。
 ちょっとしたデザイン的処理も加え、試し刷りしてみると外注とほとんど変わらぬ仕上がり。母の分は個性を抑えたごく一般的なタイプにした。どちらも浄土真宗の総本山が推奨している形式を重視し、「喪中」の言葉は一切入れなかった。明日中には投函予定。