予約時間11時の15分前に税務署到着。待合室内の相談者は私以外に1人だけで空いている。
新型コロナ第5波爆発の兆しもあるなか、相談時間は極力短くしようと、事前に国税庁のサイトで入念に情報収集。最も重要と思われた「譲渡所得の内訳書」は書式をネットからダウンロードし、必要事項はすべて記入済み。疑問点は箇条書きにして持参した。
ところが肝心の「譲渡所得の内訳書」のチェックでいきなりつまずく。事前の電話相談では、確定申告は各相続人がそれぞれやると聞いていたが、窓口では代表相続人(私)のみが確定申告し、納税も代表相続人1人が行うという指導。
発生する税金と付随する国民健康保険料上昇分は申告後に相続人が協議し、遺産分割協議書に基づいて按分するよう求められた。
当初の話とは食い違い、釈然としなかったが、面倒な確定申告手続きが私一人で終わり、税理士への代行依頼の心配もなくなるので、前向きに受け入れざるを得ない。
その後、必要な添付書類とその提出方法を確認。遺産分割協議書を始め、売買契約書、工事請負契約書、仲介手数料支払約定書、各種印紙代領収書など、持参書類のコピー提出で問題なかった。
売買代金と同時に戻ってきた固定資産税の精算分は譲渡金額には含めず、証明書類も不要なことが判明。 20分ほどで相談は終わり、車で帰路につく途中、携帯が鳴る。行ってきたばかりの税務署からだった。
担当者が上司に確認したところ、やはり当初の電話相談通り、確定申告は各相続人それぞれが最寄りの税務署でやる必要があるとのこと。「譲渡所得の内訳書」は私が作成した通りでよいとの修正判断だった。
「各自の所得に応じて課税する」という考えからすれば、各自が確定申告するのが最も妥当と思っていただけに、ようやくすっきりした。必要な添付書類と譲渡所得の内訳書は、来年の納税時期までに私がコピーをとって各相続人に送ることにする。
母の死に伴う実家不動産の相続に関し、方針が決まった3月末からずっと奔走してきたが、全て自力でやったこともあってか、関係各所の判断がまちまちで、かなりのストレスに苛まれた。
「換価分割」という相続手法自体が、世間では少ないせいもあるのだろうか。プロならば速やかに対応して欲しいものだが。