2014年3月2日日曜日

手探りひな祭ライブ

 隣区にある有料老人ホームのひな祭イベントに出演。依頼はごく最近だったが、大腸ガン関連検査日の谷間に、ぽっかりと予定が空いていた。
 施設そのものには、弾き語り活動を再開して間もない8年前にも2度うかがっている。その後担当者の移動などで途切れていたが、1月に歌ったばかりの系列の有料老人ホーム施設長さんが、内部移動で新施設長となり、その縁で依頼された。

 仕事と同じで、ライブ依頼も多くは人の縁でつながっている。手を抜かず地道に活動を続けていれば、輪は自然に広がってゆく。


 イベント開始は14時で、最初に施設側の催し物があり、私の出番は14時20分あたりから。春の訪れを意識した構成で、およそ30分で10曲を歌った。

「北国の春」「うれしいひな祭り」「真室川音頭」「いい日旅立ち」「幸せなら手をたたこう」「みかんの花咲く丘」「瀬戸の花嫁」「サン・トワ・マミー」「高校三年生」「まつり」
 造影剤注入によるガン検査の副作用と度重なる抜歯が重なったせいか、このところ喉の調子が思わしくなく、直前の練習でも声の伸びがいまひとつの感触だった。声が割れたり途切れたりしないよう、やや守りの歌唱になった印象は否めない。

 聴き手は職員を含めて60名ほど。過去のライブレポには、(全体的に大人しい印象)と記してあったが、それから8年を経て人や職員もすっかり入れ替わり、全く別の雰囲気になっている可能性もある。いろいろな意味で手探りの進行となった。


 不思議なことに、大人しい印象は8年前と全く変わっていないことに、歌い始めてすぐに気づいた。前半3~4曲の手応えはまずまずだったが、どの施設でも受ける「幸せなら手をたたこう」の反応がまるで弱く、ちょっと困った。
 前回のレポで、(無理にニギヤカ系の曲で引っ張っても、反応は変わらない)とあったことを思い出し、ここは無理せず、予定通りに叙情系の曲を淡々と歌い継ぐ。
 当初はラスト前に「ここに幸あり」を歌うはずだったが、「高校三年生」あたりでひな祭りのお菓子が配られ、場がざわつき始めた。担当の方がやってきて、「あと1曲で終わらせてください」とささやく。どうやら、おやつタイム到来のようである。
 急きょ1曲とばして「まつり」で歌い納めとしたが、結果として最も盛り上がったのがこの曲だった。苦しいときに実に頼りになる曲で、これまで何度救われたことだろう。

 推薦してくれた施設長さんの顔をつぶさぬよう、そして揺れ動く体調と相談しつつ慎重に進めたライブだったが、どうにかボロを出さずに収められた。悪ければ悪いなりに時に応じてまとめる、それがこの日の収穫だったかもしれない。