ポリープのない平坦部にも病巣が隠れていることがあるので、かなりの不安があったが、幸いなことにガン組織はなかった。ひとまずホッとした。
今後の治療方針について相談した結果、1年後にCTスキャンによる転移検査、そして内視鏡での再発検査を同時にやることが決まる。ガンの進行度はステージ0だったが、しばらくは転移検査も同時期にやったほうが安全、という判断である。
いろいろ情報を集めると、ここまで徹底して検査をしてくれる病院は珍しいように思える。検査は非常に面倒で、費用もある程度かかるが、医師の指示に従おうと思う。
血便の自覚症状が出てから5ヶ月ほど経ち、必要な検査や治療は全てやった。現時点での病巣はないが、潜在的ガン患者であることに変わりはない。当分はこのペースでの経過観察が続きそうだ。
ガンがいつ再発、あるいは転移するか分からない危うい状況とはいえ、今後の人生を臆病に閉じこもって過ごすつもりはない。食生活や運動を始めとする生活習慣改善の継続はもとより、ストレスをためない暮らし方に努めつつも、より一層前向きな生き方を目指そうと思う。それこそが、いま生きている証しだ。
8歳のときに母方の祖父が死に、(人間はいつか死ぬんだ…)と思い知ってから、はや50数年。死は必ずやってくるが、まだはっきりとは見えない遠い未来のこと、そう思っていたら、思いがけないガン告知により、そのゴールラインが突然視界に入ってきた気がする。
前を向いて歩いては行くが、自分が消えたあとの身の回りの始末も、少しずつやっておきたい。見えてなかったものが、ぼんやり見えてきた。それはたぶん悪いことじゃない。
《今回かかった費用》(3割負担)
・CT検査:12,150円
・内視鏡検査:10,170円
・病理検査診断:210円
・病理検査診断:210円