2011年8月27日土曜日

チカチカオーディション

 札幌駅地下歩行空間、北三条交差点広場にて実施された「チカチカ☆パフォーマンススポット第1期公開オーディション」に出場。札幌駅地下歩行空間で歌うのは最初にここを歩いたときから閃いていた思いで、このことは以前にブログでもふれた。

 ところがいろいろ調べてみると、この空間で歌うのは容易ではないことが判明。場所自体は格安で一般提供されていたが、弾き語りに限定すると、希望する小さなスペースでは個人はもちろん、団体でも借りることは不可だった。
 理由ははっきりしないが、狭い空間なので、騒音の問題が発生するのを管理会社は恐れたのかもしれない。無許可で歌うのは通常の路上よりもはるかに難しいと思われ、状況が変化するまで歌うのは諦めざるを得ない状況だった。


 そんなとき、「チカチカ☆パフォーマー」なるものがこの空間で公募されていることを知った。大道芸が中心だが、問い合わせてみると、音楽でもよいという。
 ただ、「地下空間を通じて街づくりに参画する」という大前提があるらしく、公開オーディションに合格すれば、管理会社の意向に沿って、決められた場所と時間に定期的にパフォーマンスをする義務が発生する。平日開催も多く、商業利用はもちろんできない。

 自由に歌うスタイルを好む私なので、応募するか否かは迷いに迷った。だが、最後は好奇心が勝った。合格しても活動期間は半年限定なので、自分に合わないと判断すれば、以降は止めてしまえばよい。そもそも、合格以前にあれこれ悩んでもしょうがない。
 公募も応募もすべてネットで、合格後のエントリーや告知もネットでやるのだという。時代はみるみる変わっている。経歴書を始めとする書類一式をメールで送り、まずは書類審査の結果待ちだ。今年はこれで3度目の公募イベントへの応募で、そういう年の巡りなのだろう。
 なかなか結果が届かず、ほぼ諦めかけた頃の公開オーディション3日前になって、ようやく書類審査通過のメールが届いた。


 私の出番は全18組中の6番目。3部に分かれたうちの第1部ラストだった。どういうわけか、弾き語り系は私を含めて2組だけで、大半がジャグリングやダンス等の大道芸だった。
 
 当日は妻に休暇をとってもらい、撮影係を強制指名。今年はこんなシーンがやたら多い。開始は10時で、私の出番は11時50分から。入替えを含めて20分の枠がある。
 考えたすえ、「内外の叙情歌」という切り口で、以下の4曲を選んだ。

「赤い花白い花」「夢路より(フォスター)」「ブンガワンソロ(インドネシア民謡)」「サンタ・ルチア(カンツォーネ)」
 地下通路なので静かな空間とばかり思い、静かな曲を並べた。事前調査でもそんな環境のはずが、いざ歌い始めてみると、まるで私の歌に合わせたように、会場の真正面にある携帯D社のブースから、騒音防止条例にふれそうなヤカマシイ呼び込みの声が響き出した。
 負けじと声を張りあげようにも、選んだのは静かな曲調の歌ばかり。それでもめげずに歌い続けたが、中高年の女性を中心に、聴いてくれる人はちゃんといた。あたりが静かであれば、この路線は間違っていないと思う。

 PAのギターのバランスがいまいちだったが、ボーカルの返りはまずまず。リハなしの一発勝負なので、ぜいたくは言えない。


 自分の出番が終わったあと、全体の半分ほどを見届け、15時ころに撤収。結果はメールで連絡がくるそうで、ここでも媒体はネット。実に徹底している。
 どんな結果となるかは分からないが、ともかくも札幌駅地下歩行空間で歌う願いは叶ったので、よしとしたい。