縄文的暮しを心がけている我が身には、文化的エアコンは肌に合わないようだ。宿の選び方は難しい。
7時に起き、9時にホテルにやってきた息子と合流。予定通り、まずは五稜郭に行ってタワーに昇る。函館在住6年になる息子も初めて昇るそうで、観光スポットとは得てしてそんなものだ。
ガラスが足元ギリギリまで迫っており、しかも上部が外側に向かって傾いている。窓辺に立つと高所は気にならないはずの私でも、めまいを感じた。しかし、五稜郭の様子は手に取るように分かり、市内も昨夜の函館山とはまた違った感じでよく見える。
再び中心街に戻って、港沿いにある金森倉庫群を見てまわる。100年以上も前に造られた赤レンガの美しい倉庫で、いまは内部を改装して土産物店や洋品店、ビアホールやカフェなどとして観光客むけに開放されている。
一部にパティオ(中庭)のようなレンガ壁に囲まれた何もない空間があったり、デザインを似せた新しい建築で結婚式場が造られたり、港から直接船を横付け可能な運河とそれをまたぐ新しい木製ブリッジがあったりと、古い歴史の流れとそれを尊重した新しい建築との融合性を感じた。非常に落ち着ける空間である。
妻の勤め先への土産などをここで買い、そこからさらに歩いて、JR函館駅近くの「星龍軒」で塩ラーメンを食べる。人気店だそうで、11時半でも店の前には10人近い行列。ひたすら待って15分ほどで中に入る。
530円と安いが、あっさり味で中高年向き。具はチャーシューとみつば、シナチクとネギとシンプルで、スルスル食べられる。応対もていねいだ。
13時に息子の社員寮に停めてあった車に乗り換え、荷物をすべて積み替えて、息子とはここでお別れ。会社関連以外では初めての「接待」だったそうで、好奇心旺盛な親に2日間振り回され、息子はちょっと疲れた感じだった。
しかし、こんなふうに息子の拠点で楽しい時を過ごせるのは、もしかすると今回が最初で最後かもしれない。そんな貴重な記憶を確かに記せた2日間でもあった。
帰路は妻が青春時代に行ったという大沼公園湖畔を1周。建物は変わっていたが、当時泊まったユースホステルが同じ場所にまだ残っていて、妻を感激させた。
寄り道した関係で、帰宅は19時40分。この2日間の走行距離は548Kmで、昨年の道東ドライブの6割弱。行きも帰りも同じ単純なルートだったので迷うこともなく、高速も一切使わずに効率的に終えることができた。
自宅近くのGSで給油した数値から逆算した実質燃費は、脅威の23.0Km/L。(満タン時の走行距離と給油量から計算)21.5Km /Lだった昨年の道東ドライブ数値をさらに更新した。ほとんどハイブリッド車なみの数値ではないか。
高速は使わず、エアコンもそれなりに使い、峠道もかなりあったが、全くハンデにはなっていない。いまどき貴重な軽のマニュアル車、格安でも本当によく走ってくれる。