私の歌に感激し、ネットで調べてYouTube音源なども多く聴いてくださったそうで、「私の介護施設で歌っていただけませんか?」という。札幌から車で2時間弱の街に住んでいる経営者の方だが、身に余る言葉がうれしくてありがたく、すぐに快諾のメールを返信した。
セルフレポでもふれているが、あのライブに出た直後は、ちょっと落ち込んでいた。自分には不似合いな「上を目指す歌い手の場」であったとしても、落選は落選。まあ、音源審査を通っただけでもいいかと、自分を慰めていただけに、客席でそんなふうに聴いていた方がいたとは驚きである。
どんな場であっても、魂をこめて歌っていれば、どこかで誰かの心に届いている。そう信じて歌うべきなのだろう。
「普段は介護施設や障がい者施設、地域センターを中心に活動しています」と、ステージ冒頭で短く自己紹介しただけで、配布されたプログラムには名前以外の情報は一切記載がない。
それでもネットで素性を調べてくださった。ブログやHP、YouTubeなどで素早くこまめに自分の情報を率直に発信し続けてきたが、最近になって、いろいろな形で結実しつつある。あくまで自分の趣味の領域だが、何事も長く続けることに意義があるようだ。
「長く続ける」に関連するが、昨夜、久しぶりに自分のブックマーク(お気に入り)サイトをチェックしていたら、昨年春にシャンソンライブに参加させていただいた近隣のカフェが、8/9付で閉店と告知していた。1年余の短い期間だったが、オーナーの体調不良が直接の理由だとか。
実は一昨年ソロコンサートをさせていただいた都心のカフェも、同じくオーナーの健康上の都合で閉店している。こちらも1年余の短期間で、この種の話は最近あちこちで耳にする。それだけ世情は厳しいのだろう。
開業前にいろいろな本を読んだり経験者の話を聞いたりしたが、あちこちで耳にしたのが「開業1年目を乗り越えよ」という警句である。規模の大小や業種を問わず、まずは最初の1年を何とか乗り越えること。現実には、ここで90%が脱落するという。そして次なる山は、ずばり10年である。
仮にこの2つの山を何とか乗り越えることができたなら、経験や人脈などのノウハウの蓄積を活かし、どうにか残りの人生を歩んでいけるのではないだろうか?