モエレ沼公園は札幌の北外れにあるので、気温が都心よりも低く、サクラの開花は例年4~5日は遅れる。しかし、5分咲きでもよかろうと期待せずに行ってみたら、8分咲きほどのいい案配であった。
まずは息子が一度も入ったことがないというガラスのピラミッドを探索。陽気がいいせいか、いつもは閉じている屋上への扉が開かれていて、初めて昇ってみた。
上の写真は、屋上から見たサクラの森。手前にあるクボミは、日本庭園の「ツクバイ」を模したと思われる、不思議な造形である。
つまり、手前の窪みが巨大な「手水鉢」で、その向こうに見える緩い石の道が、水を導く「竹筒」にあたる。
これは公園内はもちろん、関連するどの本にも説明されていないが、以前に設計者のイサム・ノグチに関する膨大な資料を調べていて気づいたこと。あくまで私の推測だが、たぶん外れていない。「ツクバイ」は彼の好きなデザイン原型だったのだ。
本来は石の道を水のように導かれて歩いて来た人々が、手水鉢の窪みで何かを見るか、あるいは演ずるはずだが、現状では芝が植えてあるだけで、何もない。不審に思って館内に展示されているイサム・ノグチ作による模型を確認してみたら、「手水鉢」にあたる窪みは、石で作る設計になっていた。
これも推測だが、ここは本来、石で同心円状の階段を作り、中心の丸い部分を野外ステージとすべきではなかったか。人々は周囲の階段に座り、コロシアムのように全方向からステージを楽しむことが出来たはず。予算面の制約かもしれないが、何とも惜しい。
その後、サクラの森に分け入って、ブラブラと探索。こんなに見事なサクラをこの地で見たのは、おそらく初めてだ。
充分堪能したあと、帰ることになったが、時間がちょうど帰宅時刻にぶつかったため、1,000台は停められる巨大な駐車場の出口が大混雑。あいにく停めた場所が一番奥で、しかも出口は1カ所のみ。イライラしつつひたすら待ったが、出られたのはおよそ2時間後。参りました。
いつもは夕方近くに見に出かけるので、こんなひどい混雑もまた初めて。無駄な時間をなくすには、人とはちょっと違う行動をとることが肝要のようだ。