2008年9月30日火曜日

小さく生きる

 アメリカで株が歴史的な大暴落をし、そのアオリを喰らって日本でも暴落した。世界大恐慌の兆しありとやらで、原油価格も暴落。ついに1バーレル100ドルを割った。まだまだ下がる。
 これらの阿鼻叫喚の元凶は、実は「アメリカ版バブル」ともいえる作られた住宅景気にあった。充分な支払い能力のない低所得者層に、「みなさん、大丈夫です。安心してどんどん消費してください」とアホな政府(ブッシュ)が煽り、それを本気にして能力をはるかに超えた住宅を買ったアホな庶民が、あっという間にローンを焦げ付かせ、残ったのは破綻と売れない不動産、つまりは不良債権というわけだった。

 これがつい数年前の話である。


 消費を煽った背景は、景気の原動力である住宅産業の勢いを落としたくなかった政治、ひいてはその票のバックボーンとなる経済界にある。
 議席を失いたくない→大企業よりの政策→失政による経済破綻、という分かりやすい構図で、どこかの国と非常によく似た図式である。

 これらをひっくるめて「サブプライムローン問題」となるのだが、間抜けな政治家の煽動にもし庶民が安易に乗らず、粛々と自分たちのペースを守り、身の丈に合った生活をしていれば、おそらくこれほどの問題にはならなかった。
 果てしない欲望の追求のすえ、たどり着いた実りなき荒地に、貧乏人もカネモチも大慌てなのが現状だ。
 はてさて、一時期ハマった株取引もとうの昔に止めてしまい、不景気の影響を受けにくい方向に自浄転換した我が事業体系。夫婦二人の生活もつましく、ごく少ない収入で暮らしてゆける質素で身軽な暮しとなれば、世間の騒ぎもまるで遠いオトギの国の出来事のように聞こえる。
 我が身に一番影響のあった原油高も、前述のように当面は下がるばかり。日本では一番の関心事らしい総選挙も、実は我が暮らしにはたいして影響がなく、今回ももしかすると棄権となるかもしれぬ。
(仮に棄権した場合でも、政治に不満は並べません)

 タイトルは忘れたが、加川良というフォーク歌手が、「小さくなって、女々しく暮らそう…」といった主旨の歌を40年近く前に確か歌っていて、結構好きだったが、いまになってその意味が痛いほどよく分かる。
 秋の夜が静かにふけてゆきます。