2008年9月14日日曜日

擦り寄るツタ

「敬老の日・訪問ライブ」の第1日目は、予期せぬトラブルに見舞われたが、何とか無事に終わった。
 開始時間の30分前に施設に着いたが、すでにステージは設定してあり、ピアノやら木琴、多数の譜面台と椅子がズラリ並んでいて、どうも様子がおかしい。

 応対してくれた職員に事情を聞いてみるが、話のツジツマが合わない。FAXをくれた担当者の名札を見つけ、直接確かめてみた。しばらく待たされたあと、実は出演者は2組あり、予定の2時半には20名ほどの楽器演奏グループがスタンバイしていて、私はそのあとにして欲しいと突然言われた。
 どうやら依頼の時点で何らかの行き違いがあり、各出演者に話が通ってなかったようだ。
 雰囲気を察知し、「手違いがあったのでしたら、私はまたの機会ということで、このまま帰りますが…」と率直に申し出ると、施設長からは2組出演と言われているそうで、ぜひにと言う。それではと、待たせていただくことにした。
 控室もひとつしか準備してないとのことで、私はそのままホールの隅に座り、楽器演奏を聴くことにした。


 あれこれあって、楽器演奏が終わったのが、3時15分。5分でスタンバイし、すぐに始めた。場所はメインステージ横のちょっとした空間。楽器演奏の道具が多く、片づける時間がない。まあ、場所は1坪もあればどこでも歌えるので、たいした問題ではない。
 置かれた状況を冷静に判断し、聴き手もさぞや疲れているだろうと、曲も短め、MCも短めで、トントンサクサクと歌った。

 楽器演奏では唱歌と定番演歌が中心だったので、曲の重複をまず避け、構成をかなり変えた。シットリ系の曲をあえて外し、ニギヤカ系を多めにした。非常に難しいステージだったが、うまく自分のペースに持ち込んだ。
 30分で11曲を一気に歌ったが、結構な人数が最後までつきあってくださった。終わると、かってないほどたくさんの入居者の方々が回りに集まってきて挨拶し、ねぎらってくださった。
「素晴らしい声だ」「懐かしい時代に戻れた」
 そして、「これまでのボランティアの中で、最高だった」とまで言っていただき、苦労が報われた気がした。

 ライブでのトラブルは、「ある」と考えていたほうが無難。何もなしに自分の思い通り運ぶほうが、むしろ少ないのだ。この活動も足かけ4年になり、トラブルを咄嗟の判断で無難にさばけるようになってきた。成長はまだまだ続く。