2008年9月15日月曜日

社会の模範

 原油価格が一気に下がり始めた。もともとが実際の需要とはかけ離れた投機マネーとやらによる高騰だから、アメリカの景気が失速し、イモズル式に欧州や日本も経済停滞、北京オリンピック特需の熱もすっかり冷め、今後どこにも原油が高止まりする理由が見当たらない。
 去年のこのブログで、「いずれ下がり始めまっせ」と予告したが、その通りになった。(2007.11.29ブログ)投機相場の逃げ足は早いぞ。

 その時に書いた「成熟した社会システム」が本当にやってくるか否かはまだ分からないが、原油高騰の間に、粛々と生活を切り詰める自虐的快感を知った人々や、原油に依存しない生産システムの構築を模索し始めた人々は、おそらく今後もその歩みを簡単には変えないのではないか。
 もしそうだとすれば、投機マネーとやらのもたらした馬鹿げた原油高騰騒動も、決して無駄ではなかったことになる。100年経ったあとに、そんな歴史的位置づけが出来ているかもしれない。確かめられないけどね。
 これに関連するが、昨日の訪問ライブの帰り、ガソリンが残り少ないので、いつも行く安いスタンドに寄ったら、長蛇の列。一部が交差点にまで入り込んで、とても危険だった。
 手前の信号待ちで、列に加わるべきか否かと逡巡していたら、反対車線からいきなり別の車がUターンし、強引に列に割り込んできた。しかし列に入りきらず、車体が斜めになって左車線を完全に塞いでいる。たちまち周囲から抗議のクラクションが鳴り響いたが、まるで意に介さない。
 思わず運転者の顔を見たら、人生の齢を立派に重ねた風貌である。少しは社会の模範になる気はないのですかとイマイマしく思い、列に加わる気は完全に失せてしまった。

 右車線を大回りしてスタンドから離れ、また明日でも来るかと帰路についたら、そこから100メートルほどしか離れていない別のスタンドで、ガソリンが167円で売られている。こちらのスタンドはがら空きで、さあイラッシャイ状態。
 最初のスタンドは163円で確かに安いが、その差4円。最近は一度に10L強しか入れないので、トータル40円くらいの違いしかなく、ルール破りをしてまで節約するほどの金額ではない。迷わずそこで2,000円分だけ入れ、気分がスッキリした。
 訪問ライブ2日目の結果は、施設側の段取りは完璧に近かったが、昨日とほぼ同じプログラムだったにも関わらず、聴き手の反応はいまひとつだった。寝ているわけでなく、ちゃんと聴いてくれてはいるが、全体的に覇気がない印象だ。
 出演者は3組で、順番と開始時間の連絡はちゃんと事前にあった。最初が子供6人のチアリーディングで、次が私。最後がソロの尺八演奏という、うまいバランスだったが、どの出演者も場の空気をつかむのに腐心していたから、私だけの問題ではない。

 連続なので、喉の調子は昨日よりもやや落ちていたと思う。施設長さんを含め、スタッフの多くが女性であることが、もしかすると関係していたかもしれない。
 2日続けて絶好調というわけにはいかない。場が変わると、反応もコロリと変わるのはよくあること。初めての施設で歌う難しさをまた知った。