以前に使っていた製図椅子の丸い支持台の形状が面白く、ずっと捨てずに車庫の壁にかけてあった。そのままでも充分にデザインしているが、これをもっと積極的に使おうというのだ。
先日テレビで、不要になった洗濯機を分解し、さまざまな家具や食器、鞄などに作り替えて販売している外国のデザイナーを紹介していた。「ある物を全く別の用途に使う」という考えは以前から大好きで、これまでもあれこれやっている。
今回は、丸い鉄製の支持台を新しい車庫梁の正面にビスで取付け、そのリングの下に植木鉢を吊るす、というアイデア。植木鉢にはマガイ物ではなく、本物のツタを植え込むのだ。名づけて「アウターリース」。
玄関のドアを開けた壁には、ブドウつるで作った普通のリースがずっと飾ってある。それに対し、風雨にさらされることを前提とした、屋外専用のリースなので、「アウターリース」である。内なる「インナーリース」と、デザイン的にはツインになっている。
予定では、鉄製リングに外壁波板と同じワインブラックのペンキを塗り、直下に不要になった樹脂製植木鉢を木材を介して固定する。ツタはもちろん自宅の南壁をおおっている物を挿し木する。
うまくゆけば、時の流れと共にツタがリングを伝い、梁から屋根へとゆっくり茂ってゆくはず。屋根の雨だれが注ぐので、水やり無用のメンテナンスフリーだ。
秋はそのまま紅葉し、冬は鉢の上に雪がまるく積もり、春が近づくとそこからツララが垂れ下がるだろう。四季折々の美しい自然の営みが楽しめる。