そもそもこのツタ自体が、近所の河川敷に伸び放題になっていたツタのツルを1本だけ切ってきて、さし芽で増やしたもの。最初はごく小さかったが、数年経つと一気に広がった。すごい生命力だ。
さし木やさし芽は全く経験がなかったが、この地に引っ越してきてからいろいろ試すうちに、すっかりコツを会得した。
時期的には、やはり春から初夏の植物の成長期が一番いい。今年のように暑さの訪れが早いときは、あまりうまくいかない。しかし、暑さも一服した感があるので、今回のツタは、ぎりぎり間に合うだろうか。
枝と葉は、いったん水につけて根が出てから移植する方法と、いきなり土に埋めてしまう方法がある。後者が面倒がなくてよいが、やや難しい。
土はあまり気にしていない。我が家は古い粘度性の土の上に、工務店が安い火山灰を敷いたもので、かなりいい加減な土だ。
その後、鶏ふんや堆肥をまくなど、手入れをしてきたが、高価な黒土に比べると、かなり見劣りがする。しかし、土はほとんど関係なしに、さし木やさし芽は成功する。
私が一番気を配るのは、さし木やさし芽をした後の周囲の土の乾燥。水やりはあまりせず、写真下のように周囲に乾燥防止の枯れ草を敷き詰める。これによって、人間が水やりをさほどしなくても、自然浸透した雨や夜露が保水され、しかも日射による蒸発を防いでくれる。
あとは葉を1~2枚までギリギリ減らし、根づくまで負担を減らしてやることも大事。これまでアジサイ、レンギョウ、バラ、ハマナス、ツタなど、全てこの手法で増やした。