2007年12月12日水曜日

冷えて暮れる

 施設側の都合で、先月末から父の暮す施設が変わった。この2年で重複を含めて7度目の移転である。入退院を繰り返しているから、ある程度はやむを得ないが、それにしても多い。
「身元引受人」として指名されている私も、その都度煩雑な諸手続きに忙殺されている。我が親なので、ただ粛々とやるのみ。
 今度の施設は自宅から車で15分ほどで、大幅に近くなった。仮に歩いたとしても1時間で着く。部屋も広く、入居者一人あたりの職員数も以前より多い。経営が同系列なので、転居に伴う費用も不要。入居費も変わらない。
 まるでいうことなしの条件のようだが、施設そのものが出来てまだ3ケ月しか経ってなく、受け入れ体勢がまだ充分整っていない。前の施設も出来てまもない時期に入居し、慣れるまでに半年かかった。

 長期療養型の病院ベットをどんどん減らすという国の大号令があるので、受け皿としての民間有料老人ホームは、今後も次々と開設されるだろう。しばらくはこのような状況が続く。居る場所があるだけで、幸せと考えるべきか。


 面倒な契約書類の変更はすでに終え、今日は区役所で介護に関わる住所変更の手続きをしてきた。
 その足で家具店に寄り、父の部屋のカーテンを買う。今回、唯一変わった条件が、部屋のカーテンの自己負担で、あちこち見繕って手頃な価格と品質の物をようやく探し出す。

 妻と二人で、さっそく部屋にかけに行った。ちょっと手こずっていたら、「どうだ、うまくいったか」と父がベットから声をかけてきた。「はいはい、うまくいったよ」と応じると、まんざらでもなさそう。耳はかなり遠くなったが、ちゃんと分かっている。
 明るいグリーンのカーテンを吊すと、とかく沈みがちな部屋の雰囲気が明るくなった。あとは諸経費の自動振込の手続きを年内に済ませばよい。まずは一段落である。