「ヤルヤル」といって結局やらない人もいるし、すごい事をやっているのに、ほとんど世間には告知しない人もいる。ホンモノは黙っていても、周りが放っておかないのだろう。だから、あえて自ら語る必要がない。
限りなく「ニセモノ」に近い私は、せめて「まずやってから告知」を心掛けるくらいが関の山。そしてまた、あれこれクドクドと書き記す悪あがき。
で、その結果ですが、地元の北海道新聞・日曜文芸に入選とでました。選者は詩人の藤田民子先生。ただし一席ではないので、詩自体は掲載されてなく、名前とタイトルのみ。「うれしさも中くらい」でありますか。
かなり以前に二度、この欄に投稿したことがあって、いずれも入選した。一度だけ一席として掲載され、その時も高く評価していただいた。藤田民子先生とは相性がよいのかもしれない。
今回も含め、3作とも自分で曲をつけてライブで歌っている。過去2作はまず普通に詩を書き、その後歌うための歌詞として書き直すという一般的なプロセスを経たが、今回は全く逆の手法をとった。
つまり、あくまで歌の歌詞として書いた詩を、そのままほとんど手を加えずに一般詩として投稿したのである。私としてはかなり実験的な試みだったが、ひとまず文学的評価は得たので、よしとしたい。
ネットで調べてみたら、藤田民子先生は創作活動と併行し、ご夫婦でジャズ喫茶を経営なさっているとか。おそらく詩を読んだ瞬間、すでに曲がついていることを直感的に悟られたのではないか。
『冬よ来い』 詞/曲:菊地友則
冬よ来い 微睡みのこの街に
雪よ打て 私の眼差しに
闇の中で誰かが 私に誘いかける
風が哭く 閉じてゆくこの空に
凍り付く あなたの言葉さえ
冬よ来い 戯れのこの街に
雪よ打て すべてに隙間なく
月の出る前に 私はきっと旅立つ
風が哭く 沈みゆくこの土に
消えてゆく 私の足跡も
冬よ来い 仮染めのこの街に
雪よ風よ 街よ闇よ
私はもう すべてを怖れない