2007年8月8日水曜日

お惣菜とデジタル

 妻の職場はごくフツーのスーパーで、担当している仕事はこれまたごくフツーのお惣菜作り。(業界用語で「デリカ」と呼ぶらしい)だが、こんな家事の一部みたいなセクションにも容赦なく、OA化、デジタル化の波はヒタヒタと押し寄せている。

_まず、出勤して職場に入るのに、従来のタイムカードに代る「指紋認証」というゲートをくぐらねばならない。予め登録してある全職員の指紋を認識し、指を画面にあてて勤務時間を正確に記録する手法で、まるで近未来の映画のようだが、街角のスーパーにまでこのようなシステムが導入されているのが現実である。
 そしてごく最近、日々の売上げを本部に報告するのに、それまでの電話による報告が、パソコンでのオンライン報告に変わったという。指紋認証システムは慣れればどうということもないが、こちらはいまだに妻を悩ませている。
 57歳というと、男でも女でもパソコンを使いこなせるか否か、まっ二つに別れる世代だ。妻は元来機械類の扱いは苦手だが、幸いなことに、自宅にある予備のパソコンを使い、親戚や友人、子供たちとのメール交換を何とかこなせるようになった。
 好きな韓流の情報も、日々ネットから得ている。この基礎訓練が、思わぬところで活きた。遊びは決して無駄じゃない。

_いろいろ聞くと、どうやらアウトルックというWindowsの標準メールソフトから本部のメインパソコンに接続し、そこからエクセルという表計算ソフトを起動。決められた支店の決められた部署にその日の売上げを打込み、エンターキーを押せばいいらしい。
 最初は決められた場所にどうしてもたどり着けなかったようだ。聞けば全部で10工程もあるとか。こちらは複雑な手順を記憶に頼らず、メモ用紙に書くことを私が勧め、どうにかクリアした。しかし、数字キーがうまく作動しないとか、ソフトそのものが起動しないとか、いまだにトラブルがある。

 パソコンに詳しい人なら、どうというこもない作業だが、初心者にとっては一大事。時に眠れなくなるほどのストレスで、この気持ちはよく分かる。
「難しいことを少しずつクリアしていくのは、自分を高めること。それはきっと楽しいことだよ」などと、ワカッタようなふりをして、日々なだめている。