2007年8月19日日曜日

深い話

 一昨日から函館に住む息子が帰省していて、ついさっき帰った。中古で買ってまもない車で往復しているが、お盆の混雑を避け、休暇を少し遅らせたのは賢明だった。

 初日は学生時代の友人宅に直行し、そのまま宿泊。我が家に顔を見せたのは、昨日の夕方だった。自立した立派な社会人だから、親でも細かいことは何も言わない。帰省の連絡があると、寝具を整えておくだけだ。
 感心するのは、手土産をいつも忘れないこと。私には酒の肴、妻にはイカの塩辛と、好物を心得ている。自分の飲む分のビールも忘れない。
 昨夜はBBQの予定もあったが、あまりにも寒く、しかも風が強くて断念。妻が買ってきたカニを食べつつ、ビールをしたたかに飲み、大いに話した。
 我が家は妻と私だけでもよく話すが、これに話好きな息子と酒が加わると、留まるところをしらない。かれこれ3時間は話しただろう。話題は主に恋愛論や結婚論、そしていかに生きるかの人生論で、息子には「友人とでも、ここまで話題が深まることはない」と、いつも言われる。


 妻とは結婚前のつき合っている時期から、この種のムズカシイ話をよくした。誰でもそんなものだと思っていたら、「それは珍しい男女関係だ」と多くの人から言われ、そうなのか、そうだったのかと自分たちの世間一般とは少し違った居場所を知らされた。
 結婚後30数年を経てもその関係は少しも変わらず、子供たちが成長したいまは、子供をも巻き込んだ、とめどもなく深い話が展開される。
 今日は天気もよく、無風。夜に出発する息子のために、真っ昼間からBBQをやった。いい具合に安い食材も手に入り、息子も満足。
 今日の話題は、会社における自分の立場など。サラリーマン時代の私といまの息子の置かれた立場が酷似していて、「仕事はやる気のあるヤツ、やれる奴に集まってくるぞ」等々の私のウンチクが、結構参考になるらしい。

 大人になった息子とこうして対等の位置で飲み、かつ議論できるのは、本当に楽しい。ここまでの道のりは決して平坦ではなかったが、よくぞ育ってくれたと、しみじみ思う。人生の喜びは、あちこちに散らばっているよ。