2007年8月1日水曜日

同志のサクラ

 丸5日近くも費やした「南フランス風豪邸」のメール納品をようやく終えた。昨夜、最終的に仕上がった作品を念のため妻に見せると、「ワーゲンの色がちょっと暗いんじゃない」と予期せぬダメ出し。
 10回も試行錯誤の結果決めた色だったが、2台の車が両方ともシルバー系というのがイタダケないと、手厳しい指摘。なるほどそれも一理あると思い、まだ試してなかった黄色と水色とで、再度出力してみることにした。

 その後いろいろあって、山吹色(濃い黄色)がよいとのお墨付きを得る。要は建物が南欧風なのだから、明るいウキウキした気分があってもいいのではないか?との意見だった。
 シルバー系、黄色、水色と画像を重ね、マウスで瞬時に切替えてみると、違いがはっきり分かる。最初に試したオレンジ色系はどれもイメージがきつ過ぎるが、かといって寒色系はちと寂しい。暖色系でも黄色系なら程よくなじむ。先方に出す前に見てもらってよかった。
 仕事関係の作品は提出前にできるだけ妻に見てもらうようにしている。独りよがりの発想に走ってないかを確かめるためで、今回のように迷いに迷った場合など、特にそうだ。
 一時は助手として私の事業を支えてくれた妻は、デザインに関して素人でも、作品に対する目はそう狂っていない。その意味では一目も二目も置いてる。精魂込めた作品を提出前に見てもらうことで、ある種の連帯感を得る、という別のメリットもたぶんある。

 考えてみれば、私の作るオリジナル曲をまっ先に聴くのも妻だ。そして、妻の評価がパッとしない作品は、お蔵入りの運命にある。
 長い時を共に過ごした、いわゆる「同志のサクラ」なのだ。