2007年8月3日金曜日

ギターにも優しい

 札幌は昨日あたりから湿度が異常に高く、外出すると空気が肌にまとわりつくように重く感じられる。雨が降ったり止んだりで、北海道にはないはずの梅雨のような陽気だ。「蝦夷梅雨」という言葉が確かあったが、その名残りかもしれない。

 ネットで調べると、湿度は80%を超えている。試しに自宅にある湿度計を外に出して測ってみたら、ほぼ同じ数値。とある大学の先生からいただいたデジタル式の高価な湿度計なので、信頼度は高い。
 ところが、同じ湿度計を家の中に入れると、たちまち53%に下がってしまう。室温は28度強だが湿度は低く、家の中にいる限り、空気はカラリと乾いた印象である。


 仕事柄、自宅室内の温度や湿度には気を配っていて、細かいデータも定期的に記録してある。材料が定常化してなかった当初の数年間はともかく、最近では冬も夏も通して、湿度は45〜55%の間で安定している。外の条件には、ほとんど左右されない。
 冬の暖房ヒーター以外、クーラーや除湿器、加湿器といった機器類は一切使っていず、換気システムもトイレや台所の局所換気に、動力不要の自然換気(パッシブ換気)を加味しただけである。

 こんなアバウトな条件でも、室内気候条件は極めて安定している。空気の流れをさまたげない単純な間取りと換気径路、そして調湿機能に富んだ自然素材内装にこだわった成果であろう。
 ギターは湿度の変動を極度に嫌い、高過ぎても低過ぎても駄目。調べてみたら、この「湿度45〜55%」という数値は、ギターにとっての理想値らしい。
 エネルギーロスを抑えたパッシブ・エコハウスは、どうやら人間や家計、そして地球だけでなく、ギターにまで優しかったようだ。