2025年10月9日木曜日

ヒガラの災難

「あんなところに小鳥がいる!」と台所にいた妻が叫ぶ。鳥くらい珍しくない地域だが、場所がウッドデッキ近くらしい。
「バードストライクかも」と応じると、ちゃんと動いているわ、と妻。
 そっと回り込んでテラス窓越しにうかがうと、白と黒と茶の混じった小鳥がウッドデッキ床に止まっている。時折首が動くから、死んでいるわけでも失神しているわけでもない。
 どうも様子がおかしいので、ガラス越しに写真をまず撮り、玄関側から回り込んでウッドデッキ側に出た。

 近づいても小鳥の様子は変わらず、首は回すが飛び立つ様子はない。デッキ床にあがって「どうした?」と声をかけ、手で捕まえようとしても全く動こうとしない。野生の鳥なのに、これはおかしい。


 よく観察すると、止まって見えたのは姿勢のせいで、脚が全く見えない。どうやらウッドデッキ床板に設けられた15ミリほどの隙間に、両脚がすっぽりハマってしまい、身動きがとれない様子。
 おそらくはデッキ床にいた虫でも食べに来て、誤って両脚ごとハマってしまったのだろう。

 このまま放っておくわけにもいかず、無理につかまえると脚を傷つけてしまいそうだ。考えたあげく、止まっている床板ごと持ち上げて脚の様子を調べようとした。
 うまい具合に止まっている場所が取り外し可能な点検用の床板で、端からそっと持ち上げ、30度くらい左に傾けたとたん、鳥は一気に空へと舞い上がって飛び立った。どうやら傾けたことで脚が自由になり、束縛から解放されたらしい。まずはよかった。
 家に戻って写真をGoogleレンズ(AIによる画像解析ソフト)で調べると、「ヒガラ」であることが判明した。近所では見かける鳥だ。

 Googleレンズはよく利用する。写真内の外国語を翻訳してくれ、花や動物はかなりの確率で正式名称を教えてくれる。
 マウスの右ボタンで一発検索が可能。スマホでも同様に使えて重宝するが、人名は苦手で検索を拒否されることが多い。

2025年10月6日月曜日

修理に追われる

 5週間ぶりの地区図書館〜本修繕ボランティア活動日だった。第1第3月曜日が基本活動日だが、稀に月曜が月に5回あったり、途中で振替休日が入ったりすると、長い間隔が空くことになる。
 早めの9時10分に到着。こんなに早いのは記憶にない。間隔が空いたせいで、修理対象棚には本が山積み状態。修理を持ち越している本2冊の作業からまず始める。

 3回目となる絵本の修復は、平綴じして背に寒冷紗を貼ったのち、片側だけを見返しと表紙の間に入れて接着させてあったが、当初から見返しに傷みがあり、本体とややズレて固まっていた。
 反対側の処理をやりつつ歪みを修正したが、ズレは完全には戻らない。ひとまず本体の接着を優先し、見返しの修正はボンド硬化後の次回に持ち越しとなった。計4回にも及ぶ繰り越し作業である。


 続けてこちらも1年前から延々と修正を強いられている分厚い昆虫図鑑に取り掛かる。

 前回はノコギリ補修からタコ糸での平綴じ補修への大幅変更を終え、本体の背に寒冷紗を貼った。今回は寒冷紗を見返しと表紙の間に入れてボンド接着する工程。本体の状態がまずまずで、両側を一度に接着することにした。
 時間は短縮できるが、ボンドが固まる前に位置決めと調整、固定までを一気にする必要があり、技術的には難しい。ボンドに水を足して硬化を遅らせつつ、慎重かつ素早く作業。
 前回補修でもあった本体と表紙との微妙なズレを「背の部分を床に叩きつける」という力技で修正。直後に自作の大型木製クリップで固定した。次回で作業終了となることを祈りたい。



 持ち越し作業が終わって、時計は10時間半あたり。続けて修理対象棚に並んでいる本を順に片づける。
 多くはノド(ページの谷間)部の外れで、ページがバラバラ等の難しい本はない。雑談もせず流れ作業で黙々と作業し、12時過ぎまでに持ち越し分も含めて、計12冊の本を処理した。数としては新記録である。
 指定された自分のエリアに本が並びきれず、一部は記名カードなしの下の段に並べて係員の了解をもらう。

 休憩ナシで3時間も根を詰めたせいか終了後に腰がピリピリ痛んだが、補修用クリップも使い果たし、修理対象棚の本は2/3ほど消えたので、よしとしよう。

2025年10月4日土曜日

やっと売れたメルカリ

 7月上旬にメルカリに出品した「EXPO'70 公式ガイドマップ」が売れたとの連絡が、昨夜突然飛び込んだ。55年前に大阪で最初に開催された万博のガイドマップで、いまでは入手困難なレア物。

 開催中の関西万博に合わせて1,000円で出品したが、過去2回の出品に比べて反応が鈍く、すっかり当てが外れた。
 やむなく定期的に100円ずつ価格を下げ、9月上旬には700円に設定したが、大きな動きはない。


 関西万博の閉幕が迫り、このまま売れ残れば出品取り下げか、さらなる値下げも考え始めた矢先の購入連絡で、3ヶ月かかってようやく売れた。実に長かった。
 商品は実際に万博会場を見学するつもりで当時200円で購入したもの。東京から自転車で会場を目指したが、旅の途中で気が変わって見学を断念した。この顛末は「万博を見なかった」と題して地元紙エッセイ欄に投稿し、8月中旬に掲載されている。 

 不要になったガイドマップは捨てるに惜しく、そのまま大切にバックに忍ばせ、3,000キロの道のりを共に旅した。当時20歳の私が企てた冒険旅行を見届けた証人のような存在である。
 多少の感傷はあっても、いまの私には不用品であることは確かで、今年の目標のひとつだった「メルカリ出品」の3番目として白羽の矢が立った。


 今回、説明写真は過去最高の12枚を使った。過去2品と比べて傷みがやや目立ち、その詳細な説明が必要だった。幸いに地図本体と説明文の傷みや汚れは少ない。
 そんな事情から価格は控えめに設定。すぐに売れることも想定し、梱包は済ませてから出品手続きした。

 昨夜は梱包の見直しをやった。本体はビニール袋で封印し、二つ折りの段ボールで挟んだのち、周囲を布ガムテープで固定。さらにA4封筒に入れたが、想定していた「らくらくメルカリ便〜ネコポス」では、通常の角2封筒では大きすぎることが判明。
 急きょ封筒サイズを詰めて糊づけし、基準内の220×305に収めた。もし「ゆうゆうメリカリ便〜ゆうパケット」を利用していればそのまま送れたが、送料が20円高くなって、持ち込み先も自宅から遠くなる。


 一夜明けて最寄りのヤマト運輸営業所まで歩いて手続きに行った。要領は最初の出品を「らくらくメルカリ便」でやった経緯を自分のブログに詳しくまとめてあり、それを参照。
 メルカリ出品と送付手続きも3度目で、大きな戸惑いもなく終わった。残るは先方到着後の評価待ち。
 何も問題がなければ、配送料210円と販売手数料70円(価格の10%)を差し引いた420円が利益となる。

 ささやかだが不用品がお金になり、出品から送付に至る諸手続きの煩雑さが、流されがちな日常には逆によい刺激となることに気づいた。これがメルカリ出品の大きな利点だったかも。自分にとっては。

2025年10月1日水曜日

10月誕生会

 誕生月が同じ妻と恒例の誕生会をやった。といっても、どこかに出かけて食事をするだけだが、なにもやらないよりはマシ。
 今年はテレビのクイズ番組で当たった「すし券」の使用期限が年末に迫っていたこともあり、以前に住んでいた地域にある老舗の寿司店に寿司ランチを食べに行った。


 調べてみたら、すし券の当選は3年前の7月。なんと2万円分もあって、使う店が限られていたこともあり、ネットで情報収集して、あちこちに出かけた。
 今回の寿司店には、当選2ヶ月後に真っ先に行っている。両親の金婚式や指導していたサッカー少年団の懇親会などにも利用した馴染みの店だった。

 まず定番食料品の買物を途中で済ませ、ランチタイムに合わせて、13時15分前に到着。前回はコロナ禍の真っ盛りで店は閑散としていたが、今回はそれなりの混雑で、駐車場の空きは1台のみ。
 2人ともAランチを注文。最初に行ってから40年近くも経っているが、味は変わっていない。きっかけがないとなかなか行けない店で、回転寿司とは違う味を堪能した。


 帰路にあるM珈琲店で珈琲を飲もうかと前日に調べると、いつの間にかブレンド珈琲が750円になっている。こちらも40年ほど前にはよく通った店だが、以前は400円ほどだったはず。
 さすがに500円を超す珈琲を気軽に飲むわけにもいかぬ。値上がりしたとはいえ、自宅なら1杯20円ほどで済み、味にそう劇的な変化があるわけでもない。すんなりパスして、珈琲は自宅で飲むことで決着した。