《入院3日目(手術後1日目)》
前夜は1時半ころに腕の痛みで目覚めた。実は手術時に点滴用針を刺した腕の一部に腫れが見つかり、0時の点滴液交換時に針の位置替えをやった。
その際の処置が悪かったらしく、腕がさらに腫れている。左腕の針傷が増えて新たな針の位置が見つからず、やむなく右腕に移動した。
ところが明け方にかけて今度は右腕の痛みで眠れない。腫れ上がった腕がまるで丸太のようだ。明らかに点滴液が組織内に流れ出している。5時の点滴液交換時に訴えたら、刺せる位置をどうにか探し、もとの左腕に移動した。
移動だけで4回、テストが数回と、両腕は傷だらけになったが、その後はようやく点滴液がスムーズに流れるようになり、ストレスからは解放された。
安全のため、PC起動時にパスワード入力を設定 |
体調自体に大きな変化はなく、体温37.1度で血圧は118/58。鎮静剤の助けもあって充分に寝たせいか眠気はなく、電子本で「ヰタ・セクスアリス(森鴎外)」を読んだり、バッテリが残り少なくなったノートPCで3人の子供たちに「手術無事終了」のメールを打ったりする。 この日も水や食事は一切不可で、許されたのはウガイのみ。術後の患部状態を調べる内視鏡検査も予定されていた。
ところが朝の回診で手術を担当した先生が現れ、早朝に採血した血液検査の結果が良好で、体温&血圧&心電図も安定しているため、内視鏡検査は行わないことを告げられた。
2日続きの内視鏡を覚悟していたので、かなりの拍子抜け。しかし、容態が安定している証しでもある。予期せぬ朗報だった。
電源アダプタでバッテリが復活 |
11時半ころに看護師さんが現れ、受付に家族からの届け物があるという。入院日にタブレットPCがネット接続できないとわかり、接続可能なノートPCをフル稼働させるべく、妻に電話して頼んだ交流電源用アダプタだった。
さっそく包みを開けると、短い手紙も同封されていた。心配していたが、妻は妻なりに9年ぶりの独り暮らしを楽しんでいる様子。夫婦の晩年と今後にむけ、いいトレーニングになったかもしれない。 お昼ころに薬剤師さんがやってきて、4日分の薬をわたされた。いずれも手術により強制的にはがした胃壁の修復と炎症防止が目的の薬。2度目の内視鏡検査がなくなったので、すぐに飲み始めるようにとのこと。同じ理由から、水とお茶がようやく解禁になった。
冷蔵庫保存が必要な薬が一部あり、ベット横にある小型冷蔵庫用のICカードを千円で買った。付属のテレビ視聴と兼用で、9年前にも同じカードを使った記憶がある。
200円で冷蔵庫が24時間運転、テレビは50円で60分視聴可能だ。余った分は退院時に精算できる。
電子本やゲームにも少し飽きたので、気分転換に3日ぶりにテレビのスイッチを入れ、推理ドラマを30分ほど視聴。前回は未対応だったBS放送も観られ、時代の変遷を感じる。
16時から地元コンサドーレ札幌VS川崎フロンターレの試合が中継されるというので、ベットに横になってかじりつく。相部屋なのでイヤホン必須だが、画面を自由に回転できて、病人にもやさしい配慮。
試合は激しい点の取り合いで、二転三転。後半ロスタイムに劇的な決勝点が入り、コンサドーレが勝った。めったに観られない名勝負を堪能。見届けたのが病室であったことも、なにかの縁だったろうか。