薄手のウールセーターを着たら、左肘が擦り切れて穴が開いていることに気づいた。
いつ買ったのか記憶にも記録にもないが、色が好きな辛子色で、秋でも冬でもないこの時期には絶好のアイテム。フリース衣料が全盛の世の中、代替品は簡単に見つかりそうにない。
考えたすえ、肘当てを縫いつけようと思い立った。機能性とデザインを兼ね、最初から肘当てを縫いつけてある商品もある。うまくやれば、好きなセーターの延命を図れる。
セーターと同色の素材は見当たらず、色のバランスから、濃いセピア色のフェルトとキャンバス生地を候補としたが、強度面からキャンバス生地に最終決定した。
キャンバス生地は、妻が使っていた古い買物バックの使える部分をとっておいたもの。まず7×10センチに裁断し、市販品に習って角を丸く切り取った。
縫いつけは面倒を避け、セーターをほどかず、首の部分にミシンのテーブル部分を差し込んで作業した。マチ針を使うと生地に穴があくため、ガムテープで片側だけを固定し、ジグザク縫いを使った。
半分縫ったところで運針が窮屈になり、このまま一周するのは困難だった。そこで仮固定のガムテープをはがし、針を生地に刺したままセーターを180度回転。糸を切ることなしに一周分を縫い終えた。
穴が開いたのは左肘だけだったが、今後のことやデザインバランスを考え、右肘にも同じパッチを縫いつけた。
仕上がりは思っていたよりよい。代替品が見つかるまで、もう少し着られそうだ。
今回のDIY難度、5段階中最高の5。パッチ素材の選択とミシン作業の難易度が高い。