退院の朝が明けた。外は寒いが雨も上がって、空は晴れている。
朝の検温では36.1度と、入院以来の最低値を記録。看護師さんと退院手続きについて打ち合わせる。朝食後に着替えと片づけを完全に済ませてから、ナースコールすることに決まる。
8時5分から最後の入院食となる朝食。通常食になってからはどの食事も美味しく、残さず食べた。豊富な食材や味つけなど、いい思い出しかない。
メニューは全粥、かに風味つみれの卵そぼろ&焼売&インゲン煮物、鶏挽肉&ほうれん草の甘味噌和え、とろろ昆布すまし汁(ネギ)、みかん缶詰、牛乳。
ほうれん草は初めて登場した。味噌和えは自宅でもやれそう。すまし汁に入っていたネギは細かく刻んで予め煮込んであった。潰瘍食としての処理で、こちらも自宅で応用できそう。
食べ終えて少し休んだのち、荷造りに取りかかる。途中で薬剤師の方が現れ、14日分の薬を渡される。左腕にずっとつけていたバーコード付の認識票も外してもらった。
9時15分までに荷造りは終わったが、念のため指差し確認すると、ハンガーにかけたタオルを入れ忘れていた。そのまま会計書類ができるまで部屋で待ち、9時半過ぎにようやく書類が届く。
1階会計で入院費をカード払いし、テレビのICカードを精算。冷蔵庫が4日で400円、テレビが4時間弱で180円、計580円と案外少ない。後半はテレビをネット経由で観たせいだろう。
入院総費用は予想よりも高く、9年前の大腸ガンのときと比べて3倍近くかかった。入院が月をまたいで治療費が2分割され、高額療養費の対象にならなかったのが大きい。
ESDという難易度の高い手術をやり、入院期間が3日から8日に増えた事情もあるが、命を救ってもらったと考えると納得できる。
9時50分にすべて終了。帰路は無理をしないでタクシーを利用するよう、妻から強く言われていた。そのタクシーがなかなかつかまらず、自宅到着は10時半ころ。
妻は買物に行った様子で留守。しばし片づけをするうち、戻ってきた。7泊8日を独りで過ごした心労のせいか、頬にやつれが目立つ。まるで2人で入院していたようだと笑い合った。 昼食は妻が卵うどんを作ってくれた。家庭菜園の山東菜も入っている。麺類は10日ぶりくらいか。副食にカボチャの煮物、デザートにバナナも食べて、病院のメニューを真似た。
この1週間の出来事を互いに話しつつ、荷物の片づけも少しずつやって、やがて久しぶりのおやつタイム。
珈琲は妻だけで、私は3倍のお湯で薄く入れた紅茶に牛乳を加えて温めた。買い置きしてあった和菓子やクッキー類をあれこれ食べる。
病院食を参考にした退院後最初の夕食 |
夕食までの時間、今後の食事の参考にするべく、デジカメに保存してあった病院食を妻と共に閲覧。今後しばらく続く療養食のイメージを高めた。
プロの技を参考に、夕方までに妻が2品、私が1品のオカズを作った。こんな感じで、しばしの療養生活へ入ってゆく。残るは病理検査の結果待ちだ。
(1週遅れの記事は、今回で終了です)