2024年3月4日月曜日

修復技術の共有

 地区図書館、本修繕ボランティアの日。今年度も今日を含めて残り2回となった。終了後に用事があり、早めの9時20分に到着。ただちに前回やり残した修繕の続きをやる。

 2回にわたって処理した持ち越し分の大型乗り物図鑑は、本体と表紙の接着が完全に乾き、ズレもなくて完璧な状態。
 本体と表紙の継ぎ目が目立つ場合は、透明テープで補強する手はずになっていたが、必要なしとの係員の判断。無事に修理完了となった。


 新たな修理として、新書サイズのマジック本を手掛ける。数ページ分の下半分だけが背からはがれている変則的な傷み。
 単純にノド部に接着剤を塗り、Wクリップ固定しようとしたが、ページが微妙にずれる。全体をはがして修理するほどの悪い状態ではなく、ズレ部分は紙ヤスリで均して収めた。

 続けてページ破れ本を修復する。あるページに1円玉くらいの欠損があり、取れた部分は見当たらない。
 本文と似た色の紙を探し出し、欠損部に重ねる。そのまま動かさず、補修紙と共に三角形に切り取った。ページの表と裏から透明テープを貼って終了。欠損の補修は始めてやったが、うまくいった。


 最後に本文が表紙から完全に脱落した絵本の修理をする。修理を終えたばかりの大型乗り物図鑑と似た破損状態で、ページを見開きながらの閲覧となる関係上、修復も同じ手法でやる必要があった。

 一回での修復は難しく、まず本文を表紙から切り離し、表紙の前処理をする。古い糊を取り去り、表紙と見返しの間に10ミリ程度の隙間をスクレイパーで確保した。
 続けてバラバラになった本文をまとめ、2センチ強の幅で細く切った寒冷紗を背に接着剤固定。本文が薄いせいか、幸いにズレはない。この状態で乾燥させ、表紙への接着作業は次回に持越しとなった。

 今日は本文が表紙から脱落した絵本や図鑑が複数あり、私一人ではとても手が回らず、他の方も担当することになった。
 作業は複雑で処理も1日では終わらないが、難しい本の修理を避けてばかりはいられない。不明な部分はできる範囲で情報を共有。こうして互いに切磋琢磨するのも、活動を続けるうえで大切なことだろう。


 終了後、その足でホームセンターに行き、新しい大型木製クリップに必要な長いボルトを買ってきた。(1本48円)
 自作した大型木製クリップは現状で2セットあるが、止めたままでの乾燥時間を考慮すると、もっと数があったほうがいい。

・使用木材:厚さ16✕幅30✕長さ360✕2本
・使用ボルト:M6、L=75
・ボルト間隔:330、290、250
・対象本:A4判以下、最大厚42

 急増する厚い図鑑類の補修にも対応可能な大きさで、他の大型木製クリップと共通のM6ボルトを使用。状況に応じたやり繰りが可能だ。