2024年3月18日月曜日

今年度最後の本修復

 今年度最後となる地区図書館、本修繕ボランティアの日。通算21回を皆勤で通した。
 フレックスタイム制の条件下で、1回2〜3時間は作業。メンバーや係員との交流など、社会活動の一環として有意義な時間だった。

 布団針とタコ糸を使った糸綴じ製本、背にノコで切れ目を入れたタコ糸での補強、大型木製クリップの考案など、2年目に入った活動の中で、各種新しい修復方法にトライし、技術の幅を広げられた。


 今日も早めの9時20分に到着。係員のAさんから来年度の活動継続を打診される。新メンバーとの入れ替えがあるかも?と思っていたが、しばらくは現メンバーで続けるようだ。
 望まれる限り断る理由はなく、書類に必要事項を記入して提出。ボランティア保険は地区センターでかけてくれる。
 前回やり残した絵本修理の続きをまずやる。表紙から本文が脱落していて、細く切った寒冷紗を背に接着剤固定してあった。完全に硬化していて問題ない。
 表紙と見返しの間に確保しておいた10ミリ程度の隙間に接着剤(ビニダイン)をスクレイパーで流し込み、本文から飛び出している寒冷紗をすばやく押し込んで調整。その後Wクリップで固定した。
 見返しと表紙の隙間処理は接着剤乾燥後の状況をみて次回にやる。


 続けて同じ小型の絵本を修復。本文が表紙から完全に脱落している。このところ急増するパターンで、ごく薄い本文は糸綴じされていて、状態は悪くない。補強用の寒冷紗は使わずに、単純に背の部分に接着剤を塗って表紙に固定することにした。
 Wクリップで固定して作業終了。こちらも硬化後に見返しと表紙の隙間調整は必須で、1回だけで完全に手が離れる修復は減りつつある。
 3冊目に厚い単行本の補修をする。先月手掛けた本と同じで、表紙側見返しのノド(谷)部分が一部はがれて浮いている。
 本体と背を避けつつ、細い竹ひごに接着剤を塗って慎重に修復した。前回やった処理のおさらいのようなもの。


 最後に乗り物図鑑を修復。小型だが分厚く、子供に人気があるせいか本文の背が数か所ではがれて割れている。表紙の傷みも激しく、全体の状態がよくない。
 係員と相談の結果、本文を表紙から完全に切り離し、根本的な修復をやることに決まる。

 切り離した本文を接着剤で補修し、形状を整えてから木製クリップで固定したうえ、広めに切った寒冷紗を背に貼った。
 普通は硬化後に本文と表紙を接着剤固定するが、本が厚いので閲覧しにくくなり、傷みの元凶となりかねないと係員が指摘。そこで表紙側の背にも細い寒冷紗を貼って補強し、本文とは縁を切ることにした。
 本文の左右に飛び出した寒冷紗だけを接着剤固定する作業は次回以降となるが、固定部の面積が少ないことに不安がある。来月の活動は1回だけしかなく、結果判明はかなり先になりそう。