2023年11月3日金曜日

会いたいときに

 午後から40キロ離れた近郊に住む学生時代の友人夫婦宅に車で会いに行き、旧交を温めた。結婚する前からの長いつきあいで、自分にとって親友と呼べる数少ない存在である。
 新型コロナ禍直前の4年前に家族で我が家にやってきて以来、久しぶりの顔合わせ。互いに高齢の域に差し掛かり、以前に作ったオリジナルの一節「会いたいときに、会えるうちに、会いに行く」そのままの行動だった。
 それぞれに病気を抱える身で、完全なる健康体とは言えない状況ではあったが、ひとまず元気な顔を見られてよかった。


 特に打ち合わせてはいなかったが、全員がマスク着用の安全策。新型コロナに対する漠然とした不安感はまだ拭いきれず、これくらい用心してちょうどよい。
 友人のTは、未だ週3回ほどアルバイトとして定年退職した会社に通っているという。小遣い程度の収入にはなっているそうで、お金より何より、自分の居場所が自宅以外にあるということはよいことだ。
 滞在は1時間強で、このご時世で長居は無用である。1時間では話し足りない部分もあったが、元気でいればまた会う機会もあろうというもの。再会を約束して別れた。

 コロナ禍で訪問を先延ばしするうち、親しい友人の訃報が突然届いて悔しい思いをしたのは3年前のこと。同世代著名人の訃報が次々と舞い込む昨今、(次は自分の番かも…)との思いが胸をかすめ始めていたが、小さな憂いのひとつがようやく払拭できた。