2012年8月10日金曜日

達成感

 オリンピック中継を観ていて思ったが、銀以上のメダル確定時点で泣いてしまうチームは、すべて決勝で負けているような気がする。最終目標が金メダルではなく、メダルそのものだった場合、2位以上が決まった瞬間に目標達成となり、感激の涙が流れる。
 しかし、この時点で決勝はまだ残っているので、それにむけてのモチベーションは当然下がる。スポーツにおいて精神の占める割合はかなりのものだろうから、ほぼ闘う前から勝負は決していることになる。

 弱小チームがいきなり金メダルを目標とするのは現実的ではないから(実際にはとってしまう例もあるが)目標はあくまで段階的に設定するものだろう。メダル確定の時点で涙にくれ、結果として銀メダルに甘んじるのもやむなし。


 好奇心の趣くままに創作活動を続けている私のような者でも、「以前とは少し向上している自分」を日々めざして活動している。たとえばストリートライブなら、何人の通りすがりの方が耳を傾けてくれるか?がそれだ。
 直近の「すすきの祭り」のステージレポでもふれたが、日々努力してこれまでないような確かな手応えを感じたとき、先の「メダル確定」に似た達成感に包まれる。「これを超えるライブは無理かも…」という、漠然とした思いに酔う。
 今年はこの種の満足感に2度も遭遇した。「すすきの祭り」のほか、その少し前に実施した通算15回目のチカチカパフォーマンスがそれで、60名に迫る通りすがりの人が足をとめてくれ、増えすぎた人が通路にまで溢れて通行に支障をきたし、途中でライブを中断せざるを得なかったほどだった。
 これといった告知や集客活動をせず、妻の引率もなく、サポートや共演なしの完全ソロ演奏であっても、現象としてこうしたことが起きる。その背景は定かではないが、「ある位置に到達した」という思いは強い。今後、どのような位置をめざして活動を続けてゆけばよいのだろうか。