2010年4月28日水曜日

ダジャレ文化

 天気予報で風雨は午後3時に治まる、とあったので、じっと待っていたら、3時過ぎに本当に陽がさしてきた。すかさず妻を誘い、集配局まで請求書を投函しに車で行く。
 ついでに、切れかけているFAX用紙をホームセンターで調達する。出がけに確認して切れかけていた家庭菜園用の石灰もここで買った。

 ホームセンターをブラついていたら、観葉植物売場で70歳くらいの見知らぬ夫婦に、突然話しかけられた。
「知人にプレゼントするのですが、この観葉植物は長持ちすると思いますか?」
 詳しそうに見えるので、教えてくださいと言う。人サマに教えるほど詳しくはないが、過去に観葉植物でいろいろ失敗しているのは確かだ。
 夫婦が手に持っているのは、サトイモ系の鉢だったが、品種改良されているのがはっきり分かる。見た目はきれいだが、そもそもサトイモ系の観葉植物は育てるのが難しい。まして改良品となると、なおさらだ。
 過去の失敗経験をそのまま伝え、自宅で6年間水だけでうまく育っているパキラとシダを勧めた。
 しかし、なぜか店には大型のパキラとシダしか売ってなく、値段も高い。「3,000円以内の予算で…」と夫婦は訴えるが、その予算ではとても無理である。
 いっそ切り花でもと思い、「入院見舞ですか?」と確認したら、違うという。根のつくものは入院見舞には「病院に根づく」と嫌われ、タブーであるからだが、違うとなると、新築祝いだったのかもしれない。
 新築祝いなら、「土地に根づく」という意味で、植木関連は好まれるはず。どのみち「ダジャレ」の世界だが、日本人ほど生活に広くダジャレを取り入れている国民は、世界に類を見ないのではないか?

「4と9のつく病室や客室は不可」
「結婚式の祝辞に重ね言葉は使うな」
「友引に葬儀はご法度」
「受験時に滑ったり落ちたりする行為は厳禁」

 これらはほんの一例だが、いずれも全く科学的根拠のない「ダジャレ文化」に過ぎないことは、よく考えれば分かることで、そんな些細なことでシアワセになれるのなら、誰も地道な努力などせずに済むというもの。
 いちおうフツーの社会人であるので、人サマに関わる事柄にはひとまず合わせるが、いざ自分のこととなると、この種の迷信には一切こだわらない。それでも山あり谷ありの、まずまずの人生でしたよ。
 縁もゆかりもない夫婦のためにアチコチ店内を探しまわっていたら、入り口付近に手頃な大きさの丈夫そうなシダの鉢が、わずか1,280円で売られているのを見つけた。
 シダは手がかからず、プレゼントにも最適。縁起とやらもよいはずだ。さっそくかの夫婦に教えようとしたら、いつの間にか姿を消していた。あ〜あ。