2010年4月15日木曜日

北原白秋

 思うところあって、北原白秋の歌をさかんに練習している。きっかけは、先日歌唱法を変えてから俄然歌いやすくなった「城ヶ島の雨」。
 歌そのものはかなりこなれてきて、いつでも人前で披露できる状態になった。あれほど悩んでいたのがウソのようで、自分に向いている歌だと思い始めた。ゲンキンなものである。

 難しい曲調に惹かれ、あれこれ調べているうちに、北原白秋の持つ世界そのものに、改めて興味を持った。
 試みに、手持ちの電子楽譜ファイル(パソコンのデータベースファイル)で検索してみると、北原白秋の作詞による私のレパートリーは、以下の4曲あった。

「城ヶ島の雨」「ペチカ」「この道」「砂山」

 どの歌にも独特の世界観があり、ジャンルで分けるなら、「日本歌曲」ということになろうか。最近打ち込んでいる叙情歌の世界からも遠くない。
 他にも歌える曲があるはずと思い、さらに調べを進めてみると、以下の曲が見つかった。

「ゆりかごの歌」「待ちぼうけ」「あわて床屋」「ちゃっきり節」「からたちの花」

 歌詞を集めてちょっと練習してみたら、ほぼいける。「からたちの花」だけは例外で、「城ヶ島の雨」ほどではないが、かなり手強い。
 城ヶ島の雨と同様、リズム感覚を無視し、気分のおもむくままに歌ってみると、なぜかうまくゆく。気ままに歌うのが、北原白秋を制覇するコツなのか。
 実はあるところから、「MCを中心にしたコンサートをやってみないか」との打診がある。まだ構想の段階だが、曲にまつわるトークを6〜7分、曲を3〜4分といった配分で、合計1曲10分を割り当てる。
 全体をひとつの世界観で貫き、1時間強のトークライブに仕立て上げる、というもの。

 トーク中心のライブそのものは決して珍しくはないが、問題は構成。「作詞者がすべて同じ」というのは、願ってもないキーワードではないか。その作詞者が日本を代表する詩人、北原白秋ならなおさらだ。先にあげた9曲は、バラエティに富んでいて、世によく知られた曲。構成もしやすい。
 いつもは曲中心で、MCは1分以内、極力短くするよう努めているが、その全く逆をいくライブ。切り口としては非常に面白く、好奇心をそそられる。実現するといいな。