2025年6月7日土曜日

絵本とダルシマー

 本修繕ボランティア仲間の同年代女性Kさんが、地区センターでコンサートをやるという。以前から趣味で打弦楽器のハンマーダルシマーを演っていることは聴いていたが、メンバー2人の主催による初の本格コンサートらしい。
 ハンマーダルシマー演者とは過去にもコラボ演奏したり、ブッキングライブで演奏を聴いたりしたことがある。ギターとは一味違う長いサスティーン音が特徴で、絵本読み語りとのコラボという新しい試みもあるというので、聴き手として参加することにした。

 会場は地区センターの視聴覚室。壁や床に防音対策が施されていて、私も13年前にオリジナルCD発売の記念ソロライブをここでやった。
 開演15分前の13時15分に会場に入ると、演奏者以外の客は1名のみ。初めての単独コンサートということで、集客は難しかったのか?と思っていたら、その後続々と人が集まってきて、開演直前までに用意された20席はほぼ埋まった。


 時間ちょうどの13時半に開演。メンバー紹介と「シフロ」というグループ名の由来、ハンマーダルシマーという楽器の説明などに続いて演奏が始まった。

 配布のプログラムに従い、前半はアイルランド民謡が中心。3曲目は「にぐるまひいて」という絵本の読み語りに合わせ、シーンごとに異なる数曲をダルシマーで弾くという意欲的なコラボ企画だった。
 この選曲が絶妙で、あくまでBGMなのだが、まるで絵本のために作られた曲のように思えた。


 4〜7曲目には「浜辺の歌」「翼をください」「風がはこぶもの」「Over The Rainbow」など馴染みのある曲が続く。プログラム裏に歌詞が印刷してあり、参加者が自由に歌える配慮がされている。プログラム中程でアクセントにしたいという意図を感じた。
「ガチガチに緊張してます」と開演前に語っていたKさん、前半数曲は手の動きがやや固く、一部で楽譜を飛ばしたりしていたが、中盤からは回復。落ち着いた演奏をしていた。

 後半4曲のうち、3曲は絵本読み語りとのコラボ企画。Kさんは絵本や紙芝居の読み聞かせボランティアを長くやっていて、朗読には手慣れたものを感じた。特に女の子が主人公の絵本には、独特の味がある。
 ラストは「ゆうやけにとけてゆく」という絵本読み語りとのコラボ。11本のプログラム中、読み語りが4本という力の入れようで、そもそもタイトルが「絵本とダルシマーコンサート」だったから、比重や配置には納得できた。


 予定通り14時半に終了。アンコールには「珠江地块」という不思議な雰囲気の曲と、ラストの絵本読み語りでBGMに使われた曲が突発Wアンコールとして演奏された。

 これまで独奏でのダルシマーしか聴いたことがなく、二重奏になると音の変化や厚みがまるで違うことに驚いた。
 初めて聴いた絵本とのコラボもよく考えられていて、以前に自宅コンサートで何度か仕掛けたギター弾き語りでの「歌謡劇」に通ずるものを感じる。今後にむけて参考になった。