新年度3度目の地区図書館〜本修繕ボランティア活動日。いつも通り9時半に図書室に入ると、知らないメンバーが一人増えていた。経緯は不明だが、ボランティアの増員があったようだ。
遅れてやってきたFさんが、「私の座る席がない」と訴える。一人増えた関係で、新旧のボランティアは計8人となり、この日は全員が出席していた。
作業机は窓際のカウンターに4席分あり、窓と書棚の間には長テーブルが2脚あるはずが、この日は大きめの角テーブル1脚4席分だけで、すでに全席が埋まっている。ボランティアだけなら8席でギリギリ足りるが、指導する係員の分がない。
係員Aさんのうっかりミスらしく、急きょ長テーブルを追加した。
気を取り直して作業にとりかかる。この日は前回手掛けて作業が途中になっている本が2冊ある。いわゆる持ち越し分で、まずは新人から受け継いだ小型絵本の修復をする。
バラバラなった本文の全ページをタコ糸とボンドで補強し、さらに背の部分に細く切った寒冷紗をボンドで貼ったのが前回までの作業。
最初に補強したタコ糸の端部を千枚通しでほぐし、扇型に広げて寒冷紗にボンド固定する。タコ糸で補強した場合の必須工程だ。
ボンドが乾くまでの時間を使い、表紙側の加工に取り掛かる。表紙と見返しの間にスクレイパーを差し込み、少しずつ剥がしてページ本体の背に貼り付けた寒冷紗の端部を差し込むスペースを確保する。
こちらも定番作業だが、既存のボンドが固くて作業に手間取った。なんとか終わらせ、表紙側の該当部分にボンドを塗り、ただちにページ本体をあてがい、両側に飛び出した寒冷紗を隙間に差し込む。難易度の高い工程だが、うまく収まった。
最後にWクリップ3個で固定し、「作業終了棚」に収めて終了。
続けて作業持ち越しとなった分厚い科学図鑑の修復を続ける。
こちらもバラバラになったページをそろえ、背の部分をボンド固定する作業だったが、万一ページがうまく止まってなければ、タコ糸や寒冷紗での再補強をする可能性もあった。
恐る恐る大型木製クリップを外してみると、思っていたより状態はよく、処理した部分はきれいに固まっていて、閲覧にも支障はない。
ただ、1ヶ所だけページの糸綴じが緩い箇所を発見。脱落してはいないが、今後のことも考えてボンドで再固定することにした。
ページの大部分は固まっているので、今回の固定は目玉クリップ3個で簡単に処理。ボンドが乾けば、次回で作業完了となる。
作業完了棚の様子 |
持ち越し分の手強い作業が1時間強で終わり、続けて修理対象棚から新たな本を見繕う。難しい作業が続いて疲れていたこともあり、時間までに簡単なページ外れの本3冊を処理した。
8人のフルメンバーが精力的に動いたこともあり、修理対象棚に並んだ本はみるみる減って、残り少なくなった。
ただ、閲覧が続く限り修理対象本がゼロになることはなく、作業に終わりはない。