2023年12月4日月曜日

脱落ページの修復

 今年度14度目の地区図書館、本修繕ボランティアの日だった。
 寒波は去って穏やかな陽気が訪れ、一時は21センチに達した雪も消えた。そのせいか参加者は7名と最近としては多い。

 前回から持ち越した本の修復から始めた。脱落したページを接着剤で固定したが、ページの不揃いがあって、同時に修復はできなかった。今日は紙ヤスリを使って不揃いのページを整える。
 作業中に別のページに脱落しそうな箇所を発見する。前回作業の見落としといえなくもないが、怪しい部分は早めの対策が肝心。新たにビニダインを流し込んでクリップ固定した。

本体ページの1/3が完全に脱落している

 続けて2センチ以上もある分厚い単行本の1/3ほどがそっくり脱落している本を手掛けた。まだ新しい上製本で、こんなひどい破損は初めてみた。最初から接着が甘かった可能性がある。

 背の剥離部分にビニダインを塗って貼り直すのが基本で、問題は接着剤が固まるまでの固定方法。
 あまりに脱落部が大きく、普通の事務用クリップでは対応できない可能性がある。そこで以前に私が自作して図書館に寄付したページ脱落修理専用の木製クリップを使うことにした。
 背面を木材補強した80✕280のOSB合板2枚で本を挟み、M6✕長さ50ミリの蝶ナット&ボルトで締めつけて固定する仕組み。ボルト間隔は約250で、A5判以下の本が対象。
 最大厚み26ミリの本が挟めるが、やってみるとギリギリだった。使う機会はそうないと思っていたが、役立ってよかった。

接着剤を塗ってから完全固定して乾かす

 最後に本体ページが見返しと共に脱落した絵本の修復をする。
 表紙の状態は比較的よく、まず本体の背にビニダインをつけて表紙に固定し、見返しと表紙の隙間には補強と目隠しをかねて、3センチ幅で切った色画用紙をビニダインで貼った。
 こちらは過去に何度か手掛けた修理の応用である。

 奇しくも、脱落ページの修復作業が3つ重なった。程度によって、それぞれ対応が微妙に異なる。そこが逆に面白い。