2023年10月16日月曜日

安全確実な作業ルーチン

 今年度12度目の地区図書館、本修繕ボランティアの日。前日に路上系イベントライブに出演したばかりで、2日続きの緊張感は前期高齢者には正直きつい。
 そのせいか、毎日起床直後に測っている血圧が、2日続けて基準値(130/85)を大きく超えた。ちょっとしたストレスも、血圧には微妙に影響するらしい。(翌日には正常復帰)

 10時に到着し、参加者は5名と少なめ。この日は修繕対象となる本も少なめで、ページのノド部分(ページの谷間)のはがれた本が多かった。作業としては難しくなく、続けて5冊の本を修理。


 いつもは筆を使ってノド部に接着剤(ビニダイン)を流し込むが、ダンゴ状になりがちで扱いづらい。
 思いついて手持ちの金属製スクレイパー(牡蠣殻を剥がす道具の転用)の丸い先端に接着剤をつけてみたら、作業しやすい。
 つけすぎた分はおしぼりでぬぐい、ノド部分に溜まった分の引き伸ばしもスムーズ。今後はこの手法をデフォルトとしたい。

ページずれ防止に本体側もクリップ固定

 早めに帰ろうとしたら、係員が難しい修理本を取り出してきた。ページがバラバラ状態の絵本で、過去に修理を繰り返した痕跡がある。本体ページがどうやっても整わず、接着剤による修復は困難な状態。
 古い絵本によくある症状で、全体を解体して糸でとじ直すのが最善の策。幸いに見返しの状態はよく、表紙と見返しはそっくり残し、本体ページだけを慎重に取り出した。

 古い透明テープを剥離液ではがし、背の部分に固まっている接着剤をそぎ落とすと、ようやくページ全体が整った。
 本体ページをダブルクリップで仮固定しつつ、小口と天地の微妙なズレを紙やすりで調整。続けて千枚通しで糸とじ用の穴を開け、布団針とタコ糸でとじ直した。持参した布団針を初めて使ったが、なかなか使い勝手がよい。


 その後、背の部分に幅20ミリほどの寒冷紗をビニダインで貼って乾燥させた。ページずれを防ぐため、本体側のダブルクリップは外さずに作業。
 これまでは同じ日に表紙や見返しの接着まで一気にやってきたが、本体を完全に固めてからのほうが安定すると知った。次回に持ち越すのが無難である。
 回を重ねるうち、より安全で確実な作業ルーチンが、じょじょに確立されつつある。